私には、いとこのお兄さんがいます。
小さい頃から「兄ぃ(にぃ)」と呼んでいて、
心の中では、にぃの事を「ケロちゃん」と名付けていました。
にぃは、銭湯のケロヨンの洗面器が好きなんですよ。
そもそも、ケロヨンが好きみたいです。
だから、「ケロちゃん」なんです。
お盆やお正月、田舎の親戚宅の近所の薬屋さんの前に、
普段ではあまり見掛けない、大きなケロヨンが置いてあるんですが、
買い物帰りにはその薬屋さん前を通るルートで帰り、
「…ケロヨン…。
」
」
とつぶやいているくらい好きみたいなのです。
そんなにぃは、ケロヨンラブには見えない、
落ち着いた雰囲気漂う、本(小説)を読んだりが似合いそうなお兄さんです。
もちろん、小説を読んでいる合間に、時にはエッチな本を見ているとは思いますが、
正常な男性なら、そういう本だって読みますよね。
そんなにぃは、小さな頃から、親戚の子供の中で一番年が若くて大人しめな私を、よく構ってくれていました。
「みんなでトランプやろう。
アキ(私)もやろうな!」
みたいに、自然に私も混ぜてくれたりしたものです。
昔からにぃは、親戚の子供の中でもどこか落ち着いた雰囲気をしていて、
しかも、一番優しいので自然と私は、
にぃに懐くようになったと思います。
それからの私は、私の家からにぃの家まで歩いて15分、
暇な日はにぃの家に行って、
にぃの妹と遊んで、にぃの部屋にも
「にぃ、いるぃ?」
と遊びに行きました。
にぃの妹がいない日は、にぃの部屋に行くんですが、
時にはにぃの友達(男)が遊びに来ていて、
そういう時は、すぐに自宅に帰りました。
男は、にぃ以外は苦手でした。
そんな感じだったので、(男=にぃが好き)という大人かった私の、純粋な子供心は今、
社会人になったにぃに、恋心を抱くようになってしまいました。
にぃ以外の男が苦手だから、にぃなの?
にぃがいつも優しいから?
にぃがケロヨンラブなのが可愛いから?
恋と勘違いしているのかもしれないと、
こんな感じですごく悩んだりもしたけど。
にぃが誰かを抱いたことがあるかもしれないと気付いた時、嫉妬してしまいました。
過去に、にぃに彼女がいた時期も、思えばありましたから。
にぃがそばに来ると、ドキドキしてしまうし、
にぃが時々つけている、香水の香りにクラついてしまいます。
にぃとキスしたいと考えてしまうし、
私に触れてほしいと考えてしまうんです。
そんな想いを抱えてから二年たった今、
私も社会人(OL)になりました。
大人になった今でも時々、にぃのお部屋に遊びに行くんですが。
不意ににぃが、私の胸を見ている時があるんです。
男って、誰でも女の胸を気にして見てしまうって、
高校の時に雑誌で読んで、知識としては知っているつもりです。
でも、いとこのにぃが、
私の胸を気にしてくれてるのが嬉しく感じてしまって。
もしかしたら、私の気持ちを受け入れてくれるかもしれないって、
夢見てしまうようになってしまいました。
困らせてしまうのなら、諦めなくてはいけませんよね…。
けれど、告白してみようかなって、考えるようになってしまったんです。
私の気持ち、いとこのにぃに恋をしてるってことを。
にぃは、どう思うだろう。
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