961
俺たち夫婦はここ最近セックスしていない。


なのに家のごみ箱の脇にコンドームの袋が落ちていた。

仮にセックスしていたとしても昔からコンドームはしていない。

それ以前に家にコンドームがある事がまずあり得ない。

息子が一人いるが、まだ5歳。

考えづらい。

妻の浮気か・・・・。

まず間違いないだろう。

しかも俺の家に男を連れ込むとは絶対に許せない。

どうにかして浮気を暴いて、慰謝料とって離婚してやる!!と、心に決めた。

しかし日中仕事をしている俺には調べようがない。

家に隠しカメラや盗聴器を仕掛ける事など考えたが、知識の無い俺は行動に移せずにいた。

そして思い切って浮気調査事務所に電話をする事にした。

問い合わせたところ、調査は簡単に行えるようだが、調査費用が俺のへそくりではどうしようもない金額だった。

その時は検討しますと電話を切ったが、今現在も妻が見知らぬ男のモノを咥え込んでいるかもしれないと思うと、いてもたってもいられなかった。

翌日、家から妻が管理している通帳とカードを持ちだし、勝手に調査費用を引き出した。

そして、すぐさま依頼した。

取り敢えず、平日9:00~17:00の時間帯で1週間、調査してもらう事になった。

調査中の1週間は色々な事を考えてしまい、眠れぬ日もあった。

そして1週間後、遂に調査結果が報告された。

驚く事に調査結果は全くのシロ。

怪しい行動も一切なかったらしい。

しかしそんな事はあり得ない。

タイミングが悪かったのかもしれない。

調査費用を追加し、更にもう一週間調査してもらう事にした。

更に1週間経過し、調査結果が報告された。

やっぱりシロ。

家への訪問者は息子の同級生のお母さん達だけだったらしい。

しかし俺の怒りは収まらなかった。

もしかしたら月1回位しか会っていない関係かもしれない。

その日だけの関係だったのかもしれない。

決定的な証拠を掴む事ができずイライラしながら、駅で電車を待っていた。

するとその時、妻から電話が掛ってきた。

電話に出ると物凄く不機嫌そうな声で「勝手に貯金下ろしたでしょ。

どういう事?帰ったら詳しく教えてなさいよ!」物凄い剣幕だった。

“ヤバい”とその時は思ったが、この際だからはっきり言ってやろうと決心した。

家に着いた俺はコンドームの袋を握り締め、妻の元へと向かった。

妻は俺の顔を見ると「どういう事!」と通帳を開いて突き付けてきた。

普段は全く妻に頭が上がらない俺も、今日は堂々としていた。

俺は「お前こそ、どういう事だよ!!」とコンドームの袋を見せつけた。

妻は「はぁっ?」と首を傾げた。

そして次の瞬間、興奮状態の俺の脳は大切な事を思い出させた。

“あっ!このコンドームの袋この間ビデオBOXに行った時に使ったヤツだ!!”

サンプル