0806
懐かしいになるなぁ。

中学が同じで仲の良かったAと、高校から仲良くなったEの3人で、放課後に教室でだらけてた。

買ってきた菓子をかじりながら、音楽聴いたり、ワンダースワンとかの携帯ゲームをしたり、漫画読んだり。

3人ともあまり家が好きではなかったから、仲良くなってからはいつもこんな感じだった。

その日も下校時刻を過ぎてもまだ粘って、見回りの先生から「いいかげんに帰れ」と言われるまでダラダラしてた。

18時過ぎくらいだったけど、外はもう真っ暗だった。

電車通学だったEと駅で別れ、俺はAとダラダラとチャリ引きながら歩いて帰った。

俺は家にまっすぐ帰るのも暇だし、Aを誘ってバイパス添いのアスモってショッピングセンターへ行った。

そこで立ち読みしたり、中にあったサイゼリヤで軽く飯を食ったりして時間をつぶした。

帰り間際、Aが「ありがとう」って言ってきた。

聞いたら、なんか親とケンカしてたらしく、家に帰りにくかったらしい。

それに俺が気がついて、アスモへ誘ったと思ったらしい。

俺は「違うよ。

俺が暇だったからだ」って言ったけど、Aはそれも気づかいだと思ったらしく、また「ありがとう」って言ってきた。

チャリ置場まで歩きながらの話なんだけど、それでなんか妙な空気になって、お互いに黙って歩いてた。

アスモからお互いに別方向に帰るから、何となく気まずいまま「そいじゃ、また明日」ってな感じに言うと、Aがキスしてきた。

犬が飛びつくみたいに突発的なキスで、なんかゴツって感じで痛かった。

俺がえっ!?って感じでいると「じゃね!また明日!!」ってAはさっさと帰ってた。

振りかえりもしなかったから、今思うと、顔、真っ赤だったんじゃないかと思う。

次の日、どんな顔でAと会ったらいいよ!?ってとドキドキしながら学校へ行った。

Aは休み。

昨日が昨日だったから、俺は心配になってポケベルにメッセージを入れた。

返信は無し。

なんか気になって仕方無くて、俺は昼ごろに早退するとAの家に。

チャイム押すと、パジャマ姿のAが出てきた。

そして俺の姿を見て、うわっ!って言うとドア閉めやがった。

「何やってんだよ!?」って言うと「ちょ、ゴメン!ちょっと待って」って言って、バタバタ。

2~3分して、パジャマから着替えたAが出てきた。

「おまたせ…」って、部屋に入れてくれた。

家にはA以外は夜勤明けのお兄さんしかいなかった。

飲み物出してくれて「悪い、ありがとう」って言ったところで「心配したけど、サボりかよ!」ってツッコンだ。

A、なんかドギマギしてる。

なんとなくまた妙な雰囲気になったので「どうせサボるなら誘え」って冗談に言ったら「アンタと顔が合わせにくくて学校行けなかったのに…誘えないよ…」ってモジモジ言ってきた。

きゅんとした。

それから、「そ、そうだよな。

俺も今朝は…」「そうでしょ。

ごめんね」「謝る事ないだろ。

Aは悪い事はしてないし」「悪いことだよ…気まずくさせた」「別に…俺は嬉しかったし…」なんて話してる内に、なんかもう俺の中でドキドキが爆発しそうだった。

なんかもう、頭真っ白で、なんとなくふたりで無言になった時に、俺はAを抱きよせてキスした。

Aはすっげぇ体を固くしてた。

キスし終わって、お互いになんか目が合って笑った。

その後は、肩寄せ合わせて2人で漫画読んでた。

やっぱり変に無言で、読んでても内容が頭に入ってこなかった。

俺は「付き合う?」って言いたかったが、なかなか勇気が出なくて言い出せないでいた。

Aは何を考えているのか、ずっと漫画読んでる。

14時、15時と気まずいまんま時間が過ぎてく。

俺はいたたまれなくって、ドッキドキしながら「…お前、今さ、好きな奴いんの?」って聞いた。

Aは漫画見ながら「うん。

…アンタ」って言った。

心臓が止まったかと思うほどドキッとした。

俺は咄嗟に「あ…あんがと」としか言えなかった。

それから「俺は…中学の頃からお前が好き…」って言ったら、Aは「あたしも…」って答えた。

で、また無言。

ドギマギした空気が部屋中にまん延してた。

すると、Aが「あぁもう!こうしちゃえばいいんでしょ!?」って俺に抱きついてキスしてきた。

俺、爆発。

もうAをギュ~って抱きしめて、何度も何度もキスした。

それで「好き。

Aと付き合いたい!」って勢いで言った。

Aは「うん、あたしも大好きだよ!」って答えてくれた。

その日はもう、飽きもせずキスしてた。

Aの親が帰ってくる時間になったけど、なんか別れたくなくて遅くまでぐるぐる近所をまわってた。

時間もかなり遅くなって、それでもう仕方無く変える事にして「じゃあ、明日また」って言ったら「…朝迎えに来て」って言ってきた。

「なんでだよ!?遠回りじゃん!」って言ったら「当り前でしょ。

アンタは…あたしの彼氏なんだから!」って言われた。

もう死んでも良いと思うほどうれしかった。

それからいろいろあって長引いたが、来年にはAと結婚する。

付き合って10年以上、いよいよだ。

長文、お付き合いいただきありがとうございました。

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