0041
初めて浮気をした時の体験談。

仕事が退けたあと、食事に誘われて、帰りに車で送ってもらう途中の出来事。


生まれて初めて好きな人を裏切りました。

可能な限り思い出して書くつもりなのです。


相手は、当時30歳で私より7つ上。

Kさん。

取引先の担当ですごく仕事できる人。

独身でした。



以前から、たまに食事に誘われたり、お酒の席に呼ばれたりというのはあったのですが、二人っきりはなかったし、この日もそうでした。


車で送ってもらうのも何度かあったけど、いつも別になにもなく、こっちに彼氏がいるのは向こうも知ってたので、

いつも遅くなる前に帰してくれたし……そんな感じだったので、少し油断してました。


路肩に車を止めて、自販機でお茶をおごってもらい、そのまま話をして。


恋愛話になり、カレ氏の浮気などで悩んでることをつい喋ってしまった。

そのうち妙な雰囲気になったというか、相談に乗るフリをされて、巧みに雰囲気を作られて…。


Kさんに恋愛感情は持ってませんでしたが、仕事では頼れる人として好意は持ってたし、

彼のことでヘコんでいた時期だったので、「このまま口説かれたらどうなるんだろ」なんて考えてしまった。


少し投げやりでした。


私は、一人にのめり込むタイプで、今まで男関係で遊んだことがなくて、その反動があったのかもしれません。


「○○さんも、カレへの仕返しで浮気してみたら?」

と言われ、シートベルト外してたので、あっという間に抱き寄せられキスされました。


振り向かせ方、唇を重ねるタイミングが上手で、強引だけど無理やりっぽさを感じないキス。


女性の扱いになれているのだと思います。


「やめてください」と抵抗したのですが、迷いがあって、拒みきれなかった。


「抵抗したいならしてもいいけど、絶対に抱くから」って真顔で言われドキッとしました。


適度に強引なのと目力に弱いので、正直胸がときめくのを感じました。


今考えると強引というより脅しですけど、言葉とは裏腹に、抱き寄せる手は乱暴ではなく、触れる指先は優しかった。


逃がさない力加減を心得ているみたいな……。


ついばむような軽いキスを何度も繰り返されて、少しずつ私の唇も開いていきました。


それでも理性を保たなきゃと思って、

「あたしまで浮気したら、●●くんと本当に壊れちゃう」と突き放そうとしたら、

「彼を気にかけたままの○○さんとしたいな。

そのほうが燃えるし」と返されました。


ずっとあとで聞いたのですが、彼氏の話を持ち出した時の私の反応を見て、“煽れば乱れる”と思ったらしいです。


このあと、本当にそのとおりにされてしまうのですが。


Kさんがソフトタッチしながら、わざと彼のことを思い起こせるようなことを口にしてくると、

背徳感が湧き上がってきて、踏みとどまらなきゃって気持ちがどんどん薄れてくる。


わかってたことだけど、スキンシップに弱い。


「スイッチどこ?」って言いながら、

ブラウスの上から胸の先っちょ探り当てられ、声を押し殺せなくなって。


『敏感だね。

声、出ちゃうタイプなんだ?』

『感じ始めると目が潤むんだ。

すっげーそそる』

『カレとするときもこうなの?』

『ヤられたいって顔してるよ』

えっちい言葉を次々に投げかけられて、少し泣きそうになったけど、口ではイヤイヤ言ってる自分と、

心の中で流されてもいいと思ってる自分がいました。


体目当てなのは感じましたが、Mっけの強い私は、意地悪言われながらの愛撫が、ツボに入ってしまって。


正直、好きじゃない誰かと……と考えたことがないといったら嘘。


貞操観念が崩れたら、自分が流されやすい女だということに気づいてしまった。


再び抱き寄せられ、キスされたときに、私からKさんの首に抱きついて応じてしまいました。


もう、トロけそうで。

というか、体も心も完全に溶けてしまった。

オチました。


はっきり、Kさんに抱かれたいって思った。


それから、いいように体を触られて、

「そんなにエッチな声で鳴いて、イヤ、ダメはどこいったの?」って煽られた。


スカートの中まで手が伸び、ストッキング越しに敏感なところまで侵入を許してしまい。


手を頭の上に拘束されてなすがままです。

足を開いて受け入れている自分をただジッと見てた。


「見て。

カレ以外の人にクリ攻められてるよ?こんなこと許していいの?」

容赦なく指を使われて、腰が跳ねてしまう。


イク寸前まで追い詰められ、ホテルに行くことを承諾させられました。


着くまでの間も、『意地悪されるの好きでしょ?』

『30分後には俺の上で腰振ってるかも』とか、たっぷりいじめられました。


囁かれるように言われると、弱い。


Kさんも、それがわかったみたいです。


「彼女じゃないから手加減しないよ」

って台詞が怖かったけど、なにをされるんだろう? ってドキドキした。


部屋に向かうエレベーターの中でも抱きしめられて。


わざとかわかんないけど、私の体にアレが当たって、すごく硬くなっているのがわかりました。


強く求められてるってわかり、「これからKさんとするんだ」ってイヤでも意識してしまった。


部屋に着いてから、Kさんが先にシャワーを浴びて、私は待つように言われました。


帰るチャンスかも、と考えながら、携帯に彼から連絡が来ないか待ってた。


夜勤なのでメール一本来るわけないのはわかってるのですが、カレが浮気したときは、どんな気持ちだったんだろう、と考えてた。


私に対する後ろめたさとかあったのかな?

それとも、単純に他の女の子としたかっただけなんだろうかとか。


腰を上げることはできず、時間だけが過ぎていって。


結局、Kさんに身を任せたい気持ちが勝ってしまった。


Kさんがお風呂場から出てました。


立ちあがるように言われ、抱きしめられてキスされた。


フレンチからはじまって、私の反応をうかがうように時間をかけてから舌を絡めてきて。


やっぱりキス上手いなって。

私も自然に反応してしまった。

すごく長い時間キスしてたと思う。


スキンシップではない本気の愛撫に、全身の力を奪われていく。

立っていられないくらい。


「車の中でいい匂いがして、我慢できなかった。

どんなふうに乱れるか楽しみ」って言われた。


「あたしKさんを見る目、変わりそう」少しだけ湧き上がった軽蔑感を、正直に口にしました。


「お互い様だろ。

もっと気の強い子だと思ってたけど。

押しに弱いと知ってれば、もっと早く迫ったのに」

「お尻ちっさいよね」って、撫でられて、ピシャッて叩かれた。


そっか、なんでもないフリして、そういう目で見てたんだ。

男の人ってわかんないな。


シャワー浴びさせてくれないっぽいので、ちょっとイヤがったんだけど、

「フェチだから、どうしてもスーツ着たままの○○さんとしたい」って言われて、そのまま。


ベッドに移ってから、「買ってあげるから」と言われ、ストッキングも破られてしまって。


こんなのいやって言ったけど、ホントは乱暴されてるみたいでちょっと興奮しました。


「彼氏に悪いと思ったら感じちゃダメだよ」そう言われても、我慢できなくて。


カレの顔は浮かぶけど、“ゴメン”とか全然考えられない。


休みなく体の色んなところを、同時に触られて、声を殺せずに身をよじるしかなく

「弱いところだらけだね」と囁かれました。


言葉でも責められてどんどん淫らな気持ちが増していく。


いきなりストッキングの破れ目から、下着をずらされてしまい、

「ドロドロになってる」って言われた。


空気に触れたら、自分でも信じられないくらい濡れてるのがわかりました。


それとライナー使ってるのがバレて、剥がされた。

恥ずかしかった。


脚を少しでも閉じると、力強い手でこじ開けられる。


大事な部分を見られたことも、おもちゃにされて濡らされたことも悔しかったけど、溢れるのを止められない。


「鏡を見て」Kさんの腕の中で翻弄される私が映ってた。


後ろから抱えられ、しなだれて、体を預けてる。


たくし上げたスカートの中を弄ぶように、Kさんの指が踊っていて、

絶え間なく喘いでいる私をジッと観察してるのがわかりました。


ローブを着たKさんと、着乱れた私。

対比がひどくいやらしくて、思わず見入ってしまった。


Kさんの指先が私の顔を撫で、唇を割って指が侵入してくる。


愛する人にするように、Kさんの指を吸い、舌で転がして甘く噛む。


「本気になってきたね」とKさんが言いました。


膝立ちになるように促され、向かい合いながら、さっきよりも深く唇を求め合いました。


「キス、好き?」「うん。

チュー、弱い」仕事での関係はすっかり崩れてしまって、いつしかKさんに甘えてる。


キスをしながら、Kさんがローブを脱いで裸に。


逞しくって、正直、カレより色濃いオトコを感じた。

手を導かれ、Kさんの股間に触れました。


もう、すごく硬く、大きくなってた。

熱かった。

これで貫かれるんだ、って思った。


Kさんも、私のあの部分に指を触れる……自分ではよくわからなかったけど、パンツがぐっしょり濡れて「冷たくなってる」って言われた。


互いの大事な部分を確認しあいながら、またどちらからともなくキスをかわす。


舌と舌を絡め合う音と、私の蜜の音。

二つの湿った音が交わって、耳を刺激する。


とにかくキスが上手くて、頭の中がぼーっとなる。

もっと欲しくなる。


せつなくなってきて、私からKさんの首すじに唇をあてがって、ボディキスをしました。


もう、止まらなくなってた。


「思ってたより、ずっとやらしいんだね」

堕ちた私を見て、Kさんが言いました。


Kさんがゆっくり立ち上がり、気が付くと、前に跪いている自分がいました。


何をさせる気かわかったけど自然にそういうカタチに……。


今までその人との初エッチでは口でしたことなかったので、そう伝えました。


そしたら、「そんなの関係ない」って。

口元に突きつけられて、拒めなかった。


「いつもするようにして」と言われ、観念してそのとおりに……優しく髪を撫でられながら、手と口でKさんを愛しました。


最初は目を閉じてしてたんだけど、Kさんが切なそうな吐息を漏らすのが気になって、ふいに見上げると、私をじっとみつめてて。


恥ずかしくて、顔を背けたら、「ダメ、してる顔みせて」って、頬に押し当ててきた。


無理っぽく口に押し込むようなことはせず、私が自分から唇を開くの待っているみたいで、仕方なくまた口に含みました。


「こっち見ながらして」視線を痛いほど感じながら見上げる。


見下ろされてるのが屈辱的だったけど、逆らえずに従っていると、次第に倒錯感が増していく。


「すっげーやらしい目してる。

○○さん、フェラするとメスになるんだ」

もう頭の中がぐちゃぐちゃでした。


とうとう、その瞬間が……ソファーに連れて行かれ、腰をかけた状態で脚を広げられました。


「入れるよ。

覚悟できた?」問いかけに返事はしなかったと思うけど、どうしようもない切なさに心が支配されていて。


Kさんがゆっくり浸入してきて、奥まで届く。

やだ、って反射的に口にしてしまったみたい。


「イヤなの? もう根元までいってるよ」言われた瞬間、背中がぞわっとした。


自分でも、わかる。

いつもと違う感じがする。

彼じゃない人に征服されてる後ろめたさと、満たされた感覚でおかしくなりそうでした。


ゆっくりゆっくりKさんが、私を味わうように、焦らすように動き始める。

ただ激しくされるより、ずっと好き。


私の髪を両手で撫でながら、じっと見つめてきて、私も見つめ返す。


「キスして」っていわなくても仕草でわかってくれる。

自分から唇を開いてキスを待ってる。


Kさん、エッチ上手すぎる。

溺れる私を見て「感じてくれてうれしい」とKさんが言いました。


私はいっぱいいっぱいなのに、どうしてそんなに余裕なんだろう。

不思議で仕方なかった。


私の中、気持ちよくないのかな。

とか、余計なことを考えてしまった。


聞こうかと思ったけど、Kさんにも気持ちよくなって欲しいと思ってる自分に自己嫌悪して、黙ってた。


突然「今、誰のオンナなの?」って問い質されて。

答えずにいたら、一突きされて泣かされた。


「ほら、見て。

俺が刺さってるよ」「やだ……Kさん、エロすぎだよ……」

「好きでもない男にアソコ楽しまれちゃってるね、ほら」繋がっている部分を見せ付けられて、じっくり何度もかき回される。


Kさんが埋めるてくるたびに、やらしい音がしてた。


下着をつけたままなのも卑猥で。

ソファーに移動したのは、見せ付けるためだったのかも。


ホントに楽しまれてる、弄ばれてる、って思うと胸が苦しくなった。


視覚でも音でも言葉でも、気が遠くなりそうになるくらい背徳感を煽られました。


「ほら、誰のオンナかちゃんと答えて」「い、いや」また急に深く打ち込まれる。


私を翻弄したいときや質問の答えを言わせたいところで、わざとピッチを上げてくる。


不意打ちされて、私が高い声で乱れる。


「お願い。

意地悪しないで」

「彼女じゃないから手加減しないって言っただろ」

「……」

「今は、誰のオンナ?」

諦めて、「今はKさんに抱かれてる」って答えました。

Kさんは満足したのか、

「ベッドでしよ」と、私をだっこしてくれました。


それからも卑猥なことを言われたり、裏切りの言葉を口にさせられつつ、ゆっくりと互いの体温を確かめるような、

今まで無かったくらい密着度の高いSEXに溶かされてしまった。


Kさんの上になったとき、「さっき言ったとおり、腰振ってる」そう言われて、恥ずかしくて死にそうだった。


でも言葉でいじめるけど、強い口調ではなくて、不快ではありませんでした。


キツい命令調だったら耐えられなかったと思う。


やさしく囁くように意地悪してくるので、たまらない気持ちになる。


言葉でいじめたあとも、

「頑張って言ってくれたね」とか、フォローしてくれるし。

いじめられっぱなしじゃないから、気が緩んでしまう。


行為も、私を追い詰めるとか、Kさんがイクとき以外はそれほど激しいって感じじゃなかった。


自分本位にするのじゃなくて、私に合わせて雰囲気を作ってくれてるのを感じました。


繋がったままお話しして、何度もキスして、無言で長い時間舌を絡め合って、またお話しして。


不意に荒々しくされると、ねじ伏せられるような気がして、なおさら溺れてしまう。


体験したことのない時間でした。

私が寸前まで高まっていることがわかったのだと思います。


「後悔してる?しても遅いよ」急にマジ顔でスパートかけてきて。

罪の意識が一気に膨らんで、はじけてしまった。


怖くなって「やだ」って身をよじったら、強く押さえつけられた。


快感に抗えず、カレとは違う男の人の腕の中で、ついに果ててしまいました。


耳もとで「イッた?」と囁くのが聞こえてきました。


答えませんでしたが、ヤバイくらい深く達したことで涙がこぼれてきて。

Kさんはまだイッてなかったんですけど、

「落ち着くまでシャワー浴びよう」と言われて、お風呂場へ……。


おっぱい隠してたら、「イマドキの女子にしては恥ずかしがりだよね」って手をどかされた。


それから、シャワーで汗を流し、私をなだめるように、仕事のこととか割とフツーのお喋り。


体を洗ってもらうときに、「縦ベソだ」っておヘソをツンツンされました。


私が落ち着きを取り戻したところで、「おいで」って言われて抱っこされて、Kさんと再び繋がりました。


愛する人とする一番好きなカタチなので、複雑な気分だったけど。


そして不意に「さっき、イッたよね?」と聞かれて、ついに認めてしまいました。


「彼氏と比べて、どうなの?」

「……」

「答えて」

「どうして彼のことばっかりいうんですか」

「○○さんが濡れるから」

「やめて、おかしくなっちゃう」

「おかしくなるくらいいいんだ?」

「ヤバイくらい感じてる」

って、言ってしまった。


服を着ていたさっきと違い、濡れたカラダが密着して、ぬるぬるが気持ちいい。


「“Kさん、いいよ”って言って」

「Kさん、いいよ」

「彼氏より?」

「……」

「どうなの? 教えて」

「……●●くんとするよりいいの。

すごく感じる」

「今日はゆっくりして大丈夫なんだよね?」

「………………」

数瞬ためらったけど、結局私は頷いてしまいました。


それから、彼とのこと、男性経験、私がどうされるのが好きか白状させられました。


過去の経験を聞かれることは、誰でもあると思います。


新しい人に元カレのことを聞かれても、それまでは「嫉妬されたらやだな」くらいにしか思わなかったです。


でも浮気相手に、現在進行形の恋人との営みを問い質されるのは、

恥ずかしさと後ろめたさがない交ぜになって、この時間が一番精神的に辛かった。


とくに男の人のアレを飲んだことがあるか、執拗に聞かれました。


私に飲ませたいんだ、って思った。


私がイヤだと思うことはしないで、とお願いしたら

「“絶対イヤ”ってことを教えてくれたら、それはしない」と約束してくれた。


「もう出したい」って、後ろ向きにされて、激しく揺さぶられ、Kさんも昇り詰めました。


またベッドへ移動しました。

今度は、私もKさんの愛撫に自然に応えました。


Kさんの股間に手を伸ばして、いつの間にか互いの大事な部分を愛し合う形になってた。


長い間、無言でそれぞれを味わって。


やがて指と舌で追い立てられ、我慢できずに、私のほうから「欲しい」と口にしてしまった。


「素直になったね」

優しくキスしてくれるKさんを迎えて、疼いた部分を深く埋めてもらいました。


またスローテンポのSEX。

お互いを会話と行為で確かめ合うのが心地いい。


「髪、触ってばかりいる」

「好きなんだよ。

いい匂いするし」

「髪フェチ?」

「だね」

「お尻とスーツもフェチ」

「スーツってか、着てすると萌える」

「コスプレ好きなんだ」

「仕事のときのままの○○さんがフェラしてて興奮した」

「……あれは意地悪すぎ」

「あのまま口の中に出したかったな」

「ほんとは、あたしに飲んで欲しかったんでしょ」

悪気はなかったのだけど、Kさんはムッとした様子で、

「今度、飲ませる」って。


私は「いや。

絶対」とかぶりを振った。


今度ってことは、これで終わりにしないつもりなんだ。


Kさんは心の中を見透かされて怒ったのか、意地悪モードになってきて。


アレを引き抜いて、また入れてくる。


「入る瞬間、すごくいい顔する」って。


何度も何度も繰り返された。


「遊んじゃダメ」そう言っても止めてくれない。


「可愛いのが悪いだろ」って。


ゆっくり侵入してきたり、入ってこなかったり、あてがったところから一気に突き刺してきたり。


じれったくって泣きそうになってきて。


気がついたら、「抜かないで。

そのままして」って素直にお願いしていました。


「また俺の前でイキ顔晒したいの?」

強烈な一言でした。

言われた瞬間、全身に怖気が走った。


このときは絶対忘れられないです。


Kさんが動き出したら、頭の中が真っ白になった。


「今度はごまかせないよ」と言われました。


「調教されてる気分はどう?」

「調教なんて、そんなこと」

「誰が見たって調教中だろ」

カラダの相性とかよくいうけど、確かにそれはあるのかも。


自分のMっけはわかっていたけど、こんな感じでいじめられると、我を忘れてしまうのだと、はっきり気づいてしまった。


この関係に溺れたらヤバイと、何度も脳裏をよぎっては、快感に打ち消される。

激しくしてこないじれったさにハマってる。


「いいの……当たる」

「●●くんのより大きいから当たるんだよ」

「……」

「大きくないの?」

「…大きいかも」

「大きいの好き?」

「わかんない、そんなの」

「わからないのにいいんだ?」

「あたしが彼女じゃないから、いじめるんでしょ」

「彼女にしたら、もっといじめる」

私からキス。

キスしてる間は意地悪言われないから。


たまに重たくピストンされて泣かされる。


そんなことの繰り返し。

昇りつめたいのに、焦れた動きで高まったままが続いてる。


ついに理性の糸が切れてしまって、

「あたし、ダメになりそう」「イキたいの?」

はっきり口にしたくはなかったので、「辛い」か「限界」か、そんなことを伝えた気がする。


「じゃ、終わりにしようか。

最後にイッていい?」

「好きにして」って答えた。


四つんばいになるように言われて、さっきイッたときも後ろだったし、Kさんバックが好きなんだって思った。


さんざん抱き合ってなんだけど、、、

こんなに明るい場所で、初めてする人に無防備にお尻を差し出すのは、そのときでも抵抗がありました。


全て晒してしまったと思ったら、顔から火が出そうだった。


「彼氏より大きいものでイカせて、って言って」

「意地悪しないで。

我慢できないの」

「好きにしてって言ったろ」

「やだ。

絶対言わない」

「強情だね。

フトモモまでたれてるのに」

「やだ、そんなところ触らないで」

「言うまで止めないよ、ほら」

「あたしが本気でイヤがることはしないって約束した」

「言って楽になれよ」

羞恥心と屈辱感でどうにかなりそうなところに、追い討ちをかけられました。


「言わないと、俺に狂わされたこと、みんなに話すよ」

もう、本当に頭がおかしくなりかけて、今にも負けてしまいそうだったけど、

「これ以上されたら、Kさんを恨む」って言ったら、やっとやめてくれた。


Kさんは「ゴメン」って背中にキスしてから、私の中に入ってきました。


最後はすごく激しくて、壊れそうなくらい手加減無しでされました。


彼氏のことなんて頭から飛んでいた。

腰をつかまれ肩を押さえつけられて、髪まで引かれて。


逃げたくても逃げられず、強引にイカされて、イったあとも続きました。


息が出来ないくらい苦しくて、辛くて。

こんなSEXがあるなんて、思わなかった。


私は乱れ泣いて、グシャグシャになってた。

どのくらいの時間かわかりませんが、体感ではとても長かったです。


「もう無理。

許して」

ってお願いしたのに、Kさんがイクまで止めてくれませんでした。


行為が終わったあと、しばらく放心状態で、

正直に「こんなの初めて」って漏らしたら、髪の毛をクシャクシャに撫でられました。


それから、シャワーを二人で浴びました。

Kさんが私にシャワーをかけながら、知られてしまった感じるポイントを撫でてきて。


ダメ、もう終わりって言っても、メロウなキスに阻まれてしまう。

こすりつけるように抱き合って、互いを感じ合うタッチ。


終わったはずなのに、余韻を体に刻まれて、疼かされてしまう……。


本当にヤバイ人と関係を持ってしまったと思った。


「またしようね」

「……彼に悪いから」

「俺のがいいって言ったクセに」

「無理やり言わせたんじゃないですか」

「俺にイカされた」

「やめて」

「彼氏じゃ届かないところに当たるって言った」

「そんなこと言ってない」

「もう許してって泣いた」

「やめてってば」

「○○さんの正体、暴いてやった」

「……」

何も言えなくなった私のあそこを触って、

「ほら、言葉で責めただけで濡れるMだ」

Mだとか調教だとか言われて、私、ホントにそうなのかなって……。


MっぽいとMでは、かなり違うと思うので。

言われてショックでした。


浮気したことも後悔だけど、M認定されたことも引きずってしまいそうで。


悶々とした気持ちのまま、ホテルを出る頃には空は明け始めてました。


長い時間Kさんのそばにいたんだと、改めて思いました。


帰りの車の中で私が無口だったので、

「ちょっと無理しちゃったかな」って謝られました。


可愛かった。

またこうして会いたい。


今の彼と別れたら、自分と付き合って欲しいとも。

でも、嘘ですよね。


雰囲気に流されて浮気するような女だとわかって、なのに彼女にしたいなんて。


冷静になったら、疲れたのと罪悪感がひどく重くて、会話をする気力がありませんでした。


彼氏の浮気で悩んでた自分が、逆に流されるままに浮気して、快感に負けて溺れて。


それどころか、カレを裏切っている気持ちを媚薬にして感じてしまった。


されたこと、言われたこと、言わされたこと、自分から求めてしまったこと。


それが頭の中を巡って離れずにました。


「気持ちの整理ができたら連絡しますから」とだけ言って、車を降りました。


Kさんと肌を重ね合わせていた間も、帰りも、携帯に彼からの連絡がなかったことだけが救いでした。


直後に、彼氏とは別れました。

向こうが浮気を認めて、

「相手の子のこと好きになった」って。


泣いた私を慰めてくれたけど、悲しいから泣いただけじゃなくって、正直ホッとしてしまった、そんな自分が情けなくて泣いた。


私は、結局カレを裏切ったことは伝えられずじまいで。


友達も私が「捨てられた」と思い込んでしまい、友人間で少しゴタゴタがあって、それも気が重かったです。


普段気が強いふりして、肝心なところでジメジメしてる。


耐えられず、自分からKさんに電話してしまいました。


カレとお別れしたこと、裏切ったことを伝えられなかったこと。


彼だけが悪いわけじゃないのに言い出せなかったこと。


Kさんのマンションで、全部話しました。


「苦しめちゃったね」そう言って、ハグしてくれた。


たまらなくなって「一緒にいて」ってお願いしました。


おもちゃにされてもいいと思った。


でも、その日は静かに愛してくれました。

それから、Kさんと一緒にいる時間が増えました。


事情を少し知っている人には、彼氏彼女関係と思われてたけど、私はそう思ってなかったです。


彼のオンナであったとは思う。

でも、彼女じゃなかった。


Mだって決め付けられて、酷いこともされました。


怖かったのは、要求がエスカレートすること、それを受け入れてしまうこと、受け入れて当然のように振舞われることです。


環境になれたり感覚が麻痺すると、大事なものを失うような気がして、それはイヤだった。


ずっとMっけがあると自分でも思ってたけど、本当にMなのかわからないです。

っぽいってだけで、違うんじゃないかと思うこともある。


他人に相談できないし、これだけは今でもわかりません。

普通以上M女未満の、Mだと思う。

プチM。

たぶんM。


私は、スポーツするようにエッチできないし。

ペットでもないし……。


ベッドで支配されたい欲求もあれば、灯りを消した部屋で普通に肌を合わせたい夜だってある。


好きになったら抱かれたい。

Kさんとは順番が逆になったけど関係したら好きになってしまう。


でも、彼は一人の女で満足できる人じゃないし、私もこの人とは無理だと思うようになった。


半年後、Kさんが異動になり、私も関係を清算するつもりで転職しました。


連絡が来ても無視して、しばらく会うことも無かったのですが、次に失恋したときに一度、マンションに行ってしまったことがあります。


「自分から来たんだから」って、メチャクチャにされた。


凄く後悔して、もう二度と会わないって誓った。


それがKさんと会った最後。

感情的には、もうとっくにKさんから卒業してますが、

体が寂しいとき、ふと思い出して、一人慰めエチしてしまうことはあります。


自分でもだらしない女になったって思う。


昔のオトコ関係なんて、たいがい忘れてしまうけど、これは無理。


色んな意味で自分を知った夜だったから。

忘れようとしても忘れられない。
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