kimamamh0412000425
従弟との話。

従弟の『たっくん』とのこと。

私より年下の男子。

『たっくん』と言うと小さい子供みたいだけど、昔からの愛称みたいなもの。

お互い、もう28歳と22歳。


オトコとして意識するようになったのは、手相の話題になったとき。

たっくんが、専門学校に通い始めて1年経つあたり。


昔、繋いだことがある小さかったたっくんの手が、私の手を余裕で越えてた。

私の手より、大きくてごつごつしてて、ドキッとしてしまったのは、手の熱さも感じたから?
彼氏も居なかったせいかな。

意識してしまうようになってから、好きになってしまうまで時間は掛からなかった。

従弟だからかもしれないけど、いつもさりげなくそばに居てくれてた感じ。

そして、優しい。

弟みたいに思っていたたっくんに、同年代の男の子には感じられない余裕も感じていた。

たっくんの性格なのかな。


ある日、たっくんが呟くように言った。


「はー、そろそろ彼女欲しいな、姉ちゃん(たっくんは昔から、私を姉ちゃんと呼ぶ)みたいな・・・」

(聞き間違えてないよね、私みたいな・・・?)

ドキーッとしたけど、態度に出さず・・・。


「へえー、たっくん、年上好きなんだね?」
「年上?まあね。

・・・つうか、好きなのは・・・」

「なによ~、私の知ってる子~?」
「よく知ってると思うよ。

・・・本人だから」

時が止まった気がした。

その日から、お姉ちゃんとたっくんは、ただの従姉弟じゃなくった。

恋人として、二人の時が動き出した。


「気のせいならごめん。

姉ちゃんも俺と、・・・同じ気持ちな気がするんだ」

(どうして・・・。

たっくんのお姉ちゃん、してたつもりなのに・・・)

色んなことを考えた。

私は、本当は、自分に自信がないこと。

たっくんの思うようなお姉ちゃんじゃない。

私と付き合っていくうちに、すぐにがっかりされてしまうかもしれない。

お互いの家族のことも考えた。

頭の固い家族同士。

テレビでの、性同一性の人々や、同性婚の人々、不倫してる人々を、『人の道を・・・』など、言うような人達だ。

いとこ同士なんて、分かってくれる・・・?

「・・・」

たっくんが、好き・・・。

なのに色々考えると、私と付き合ったたっくんが幸せでいる未来が私には見えなくて、答えに詰まった。

辛い思いをして、悲しい顔をしてるたっくんが脳裏に浮かぶ・・・。


「・・・」

でも、たっくんが好きで・・・、好きで・・・。

・・・お姉ちゃんの私より、女の私が勝ってしまった・・・。


「・・・そうだよ。

私も・・・たっくんと・・・ずっと同じ気持ちだったよ・・・。

付き合ってみようか・・・。

家族に、内緒で・・・」

相談出来たり、優しくしてくれる、オトコになったたくんをどうしても手離せなくて、認めてしまった、受け入れてしまった。

たっくんが居なくなるのは、嫌だった。

たっくんが、誰かのものになるのも・・・。


「おう!固い家族どもだからな!気をつけような」

たっくんは、ほんわかなようで、気が利く。

わざと明るく言ってくれたようだ。

こうして、私とたっくんは恋人同士になった。


「・・・姉ちゃんじゃ、なくなったんだよな。

俺、彼女と、・・・キスしてみたい(笑)」

「なによ~、たった今、関係が変わったばかりだし、・・・キスって・・・」

ドキドキして顔が熱くなってきてた。

ソファーに座ってた私の隣にたっくんが座ってたきた。


「な・・・なに・・・」
「二人だけのとき、まみ(私)って呼んでいい・・・?」

「・・・」
「まみ・・・」

ぐっと引き寄せられて、・・・キスされてた。

唇がぷにゅって当たってた。

舌もぬるるって入ってきて・・・。

舐めあうように、重ねた柔らかい唇の中で、優しくれろれろ・・・しあった・・・。

キモチイイ・・・って、ぼうっと、たっくんの舌を舐めてた・・・。

たっくんの舌、大きい気がした・・・。

やっと唇が離れたとき見えた糸みたいな唾液が、恥ずかしかった・・・。


「はあ・・・、はあ・・・」って、お互いなってたのも恥ずかしかった・・・。


「まみとのキス、やばいくらいキモチイイ・・・」

「うん・・・。

私も・・・」

こんなこと言いあったのも恥ずかしかった・・・。

キスしたら、もっとたっくんが好きになった・・・。


たっくんに抱き締められてるとき、痩せてる・・・とは言えない、ぽちゃな私の体は、すっぽりとたっくんの体に覆われてて、厚みのある大きい体に包まれて、たっくんにまた、オトコを感じた・・・。

自分は女で、たっくんが男だって感じさせられるたび、たっくんを、オトコとして好きなんだと痛感した・・・。


それからたくさんの月日が過ぎた。

月日は過ぎても、やっぱり今も、たっくんが大好きだ。

たっくんは、彼氏でいてくれて、相変わらずそばに居てくれて、笑ってる。

今は、二人だけの時は、私が年上なのに、彼氏のたっくんに甘えてしまう、普通の恋人同士みたいになってる(恥ずかしい)。


普通の結婚は望めないかもしれない・・・。

それでも、たっくんと、ずっと一緒にいたいと願ってしまうんだ。
サンプル