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嫁が泣きながら大学生と順に重なった時の話をしようと思う。



その日は朝からキャンプ場に行き、昼は子供と色々遊んで、夕方はバーベキューをしてた。


そしたら、「食材とビール多めにありますから一緒にいかがですか?」と隣の大学生5人グループが来てさ。


最初はもちろん遠慮したけど、話していて感じのいい奴らだったし、じゃあ、まあ一緒に、という感じで夕飯を囲んだ。

学生らは肉なんかもせっせと焼いてくれて、子供とも遊んでくれたし、就活や結婚のことなども質問してきたりして。


なかなか素直で可愛い奴らで、悪い気はしなかったよ。


嫁もニコニコ笑いながら話を聞いていた。


で、9時になり、俺は子供を寝かしつけるためバンガローに入ったんだ。


寝たらすぐに戻るつもりだった。


ドアを閉めたその瞬間だった。


「え・・・、ちょっと!」

外から、嫁の少しきつめの声が聞こえた。


そしてすぐに・・・。


「あ!だめ!返して!」

もう明らかに叫び声。


子供に、「絶対そこに寝てなさい」と念を押して、そっと窓の外を見た。


嫁は裸にされていた。


後ろに回った一人に両腕をバンザイさせられ、足を少し開いた状態で左右一人ずつにガッチリ固定され、ちょうど『X』の文字のようになっていた。


裸が焚火に照らされて、ゆらゆらオレンジ色に輝いて見えた。


「キャンプではお風呂に入れないですからね」

「僕らが綺麗にしてあげますから動かないでね」

「奥さん結構キツい汗かいてますね」

「ほらこのへんも、清潔にしないと」

そう言いながら、あとの二人が嫁の身体をベロベロ舐めていた。


「いや、いや、いや」

嫁は泣きながら抵抗した。


学生たちは舐め係と固定係を順に交代している。


子供「ママのお声が聞こえるよー」

俺「見たらダメだよ」

子供「なんでー」

俺「ちゃんと寝てなさいっ・・・」

外を見ようとする子供の頭を慌てて押さえつけた。


子供と一緒にシーツを被った。


学生と嫁の声。


壁越しでもよく聞こえる。


「ここに寝て、奥さん」

「ダメ、ダメ」

「おい、しっかり押さえて」

「いや、わかっちゃう・・・ちょっと、あっ、あ、あ、あ、あん、んっ!」

「・・・うぃ、交代~」

「・・・ああっ!」

「奥さん、キスしよ、ね、お願いだからさ」

「・・・」

「キスしたら動くから」

「・・・」

「ね?」

「・・・。

あ、やあぁぁ、あん!あん!あん!あはん!あん!あん!」

「奥さん、可愛いし、はっ、はっ、はっ」

子供「パパ、心臓がドキドキしてるね」

俺「うん、ごめんな、もう寝よう」

子供「僕、少し恐い」

俺「大丈夫だよ、明日は虫採りに行こう」

シーツを整えるため中腰になった時、カーテンの隙間から外が見えた。


嫁が木のテーブルに寝て、その上に学生がぴったり胸を合わせて重なっている。


学生はものすごい勢いで腰を振っていた。


他の学生はニヤニヤしながら見ていた。


嫁は泣いているようだった。


そして、嫁の両脚が学生の腰を捕まえた。


学生の動きが、いっそう激しくなった。


嫁が何か聞き取れない言葉を発した。


聞いたことのない声だった。


既に11時を回っていた。


子供はいつの間にか寝ていた。


結局、嫁は学生たち全員と順番に重なった。


嫁の泣き顔を見ているとなぜか出ていけなかった。


本当に今でもなぜだか分からない。


俺は、嫁が学生たちを振り払いコテージに逃げ込んでくるのを待っていた。


だが嫁は最後まで逃げて来なかった。


それが今でも不満であり、謎でもあるんだ。
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