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勤務を終えてた土曜日の午後、いつものように私は同じ職場の彼女を誘った。


彼女は妻より十歳も若い三十二歳、私は、若い女の弾けるような、ぴちぴちとした滑らかな肌に溺れ貪った。

彼女も激しく燃えて、昼下がりの僅か二時間の間に三回も達してくれた。

そんな快楽の裏には危険も待ちかまえている。

職場の男女関係、それも上司と部下の女子職員という関係が、いかに危険なものであるか。

ひとつ間違えば、社会的地位は失い、家庭が崩壊し、登りつめた地位から転げるように落ちて、世間からも放り出されていく。


そのことは良くわかっているくせに、彼女との関係を、断ち切ろうと思いながらも断ち切れずに、ずるずると今日まで五年間も続けている自分の弱さに嘆いた。


彼女と別れて、午後五時には何もなかったような顔をして帰宅すると、何も知らない妻は、「お帰りなさい・・・」と云いながら、台所で夕食の支度をしていた。

スラリと流れるような肩筋、細く凹んだウエスト、柔らかく膨らんだヒップなど、調和のとれた四十二歳女の色濃い後しろ姿が、男の気持ちを揺さぶる傍ら、何も知らない妻を裏切っている罪悪感に胸が苦しんだ。


台所に立つ妻の後ろ姿を見つめて、やはり愛しているのはこの妻なのだ。

健気に尽くしてくれているこの妻を見捨てるわけにはいかない。

彼女の心情を察すると、これまでの関係を断ち切ることは忍び難いが、男としての責任を取って、ここらで彼女との道を整理しなければならないと思った。

妻に本当に申し訳ないと心で詫びるばかりだった。


その夜、浮気した罪悪感から一週間ぶりに妻の柔肌を求めた。

何も知らない妻は、拒まずに硬い怒棒を迎え入れてくれた。

私は昼下がりの背信行為を心で詫びながら、ひたすら妻を愛し続けた。


怒棒の先端が妻の柔らかい肉襞に触れ、そこに私が力をかけたとき、それが妻の潤みで滑って花びらを撫でた。

不意に蕾を撫でられた強烈な感触に妻は「あぁっ・・・!」と一瞬声を出して、からだを仰け反らせた。

その反応を見た私は、怒棒の先端で素早く妻のその急所を何回となく擦り続けた。


蕾を凄く刺激された妻は、引き続く鋭い快感を感じて、手でシーツの端を掴み、足をばたつかせ、腰を捩った。

妻は、幾度なく訪れる快感とくすぐったさに呼吸が苦しくなったのか、吐息が喘ぎ、眼の縁には涙さえ溜めて「うぅーん・・・、いやぁ・・・」と大きく呻いた。


我慢できなくなったのか肢体を乱した妻は、「もうだめ、きて・・・、はやく・・・」と口ずさんだ。


その切なる哀願に、私は、硬くなったものを妻に当てて迎え入れさせた。

以外と狭い妻のそこを、怒棒は押し開いてゆっくりと入っていく。

その硬いものは、狭い女の隧道を裂けんばかりに進んで、妻の内部を一杯に満たした。

その触感に妻は、またもからだを反らせて「うぅ・・・」と呻いた。


妻は、男から受ける快感を、言葉や素振りに表さまいと慎しんでいるものの、男の強張りが、狭い女の隧道を一杯になって、突き進んでは後すざりする行為が繰り返されていくのを必死に受け止め、ひしひしと男から受ける快感に酔い痺れているようだった。


私は正常位で真上から快感に歪む妻の顔の表情を見つめた。

夫が浮気していることを知らずにいる妻が、一途に夫の愛を受け止め、満ち足りて、その快感に歪む顔の表情を見つめていると、ひたすら夫に尽くしてくれる健気な妻を、ここで見捨てて放り出すことは出来ない。

浮気に走っている背信行為をひたすら詫びながら、家庭を守り抜くため、彼女を断ち切ることは情において忍び難いが、浮気の大きな代償を覚悟して、人に知れて噂される前に、彼女との関係を断ち切ることを心に決め、妻の奥を激しく突いて果てていくのだった。