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昔の話で恐縮ですが、暇つぶしになればいいかなと思い投稿させてもらいます。


私には大学1年から3年付き合っているTという彼女がいました。

3年目に突入し、大学もそろそろ就職活動ピーク。

私は体力に自信があり、色々な企業の面接を受け、「早く就職して落ち着いたら結婚しよう、互いにずっと支えあっていこう」と、そう何度も誓うほど、私たちはとても仲が良かったです。


しかし、そんな私の彼女Tの様子が3年目に入って2ヶ月ぐらいしたころからどうもおかしい。

就職活動の合間をぬって互いの予定を組んでデートに誘っても、「急な予定が入った」「就活だから」と、はぐらかされる。


まあ時期が時期だけに仕方ないかと諦め、メールでのやり取りや電話は欠かさずしないようにしました。


私は会えない憂さ晴らしにとジムに通い、体力作りなんかをしてストレス発散していました。

日も差し掛かったところ、そろそろ帰ろうと思った帰り道、私は嫌なものを発見してしまいました。


それはTと知らない男性が仲睦まじく歩いているところでした。


Tとその見知らぬ男性は、ビル街を腕を組み楽しそうに歩いています。

私はといえばその光景を見てただもうポカーンとして・・・。

え?なんだあれ?何が起こってんだ?は?・・・という感じで、頭の中が真っ白でした。

二人がホテルのある通りのほうへ歩くのを見届けた辺りで意識を戻すと、もう自分の中でぐちゃぐちゃとした怒りがこみ上げてきて、がむしゃらに二人が通った道の方へ走りました。


横断歩道を渡り、猛速で走り追いついたとき、ちょうど二人はどこのホテルに入ろうかーみたいな感じで楽しそうに喋っています。

こういうときは普通なら落ち着いて写真撮るなり何なりするんでしょうけど、とりあえず呼吸を落ち着けながらも、そんな風には思考が回らず、Tの後ろに忍び寄り肩を掴んだ辺りで浮気相手と目があいました。


私「・・・何してんの?」

そのときのTの顔はもう顔面蒼白で、サーっとみるみる内に血の気が引いていくのが目に見えてわかりました。

男のほうはというと大体察したのか平然とした顔してます。

うわー場慣れしてんなーと思いつつもとりあえずTを問い詰める私。

その先はお決まりの「違うのこれはねあのね」のしどろ問答。

もうTと話しててもダメだ、と思い男の方に目を向けて・・・。


私「俺こいつの彼氏だけど、あんた何してる人?」

男の方はもうなんていうか開き直ってる感じで。


男「Tさんとお付き合いしているものです」

・・・と、結構紳士的な態度。

私はというと頭に血が上ってて、とてもじゃないけどそんな紳士な態度取れません。

もう今にも殴り掛かりたい、というかもう何だ、前科持ちも悪くないとか、そんなことばかりに頭がいくのを振り切って必死に平静を装ってました。


俺「いや俺こいつともう3年付き合ってて結婚も考えてたんだけどさ。

あんたいつからよ?いやまあそんなの聞いても仕方ないから・・・」

自分でも何言ってたのかここらへんは曖昧で、気がついたら泣きじゃくるTを引っ張って、ちょうど近所にあるTの両親が経営する貸しビルのほうへ。

男のほうは黙ってついてきますが、どことなくそわそわしてました。


Tは泣きながら「どこ行くの?ねえ!やめようよ!こっちお父さんの・・・。

ねぇ・・・もう・・・」と懇願してますが、聞く耳もちません。


Tの両親のビル前まで着くと再びTが謝ってきます。


T「ねぇぇぇ・・・もうやめようよ、お父さんたち関係ないよねぇ!この人とは何でもないんだから!?」

半ばヒステリー起こしてるけど、さっき紳士的に何かいうてたやん・・・orz
もう私も色々限界でしたけど、何か急に熱が冷めるというか、なんだもうあーめちゃくちゃにしちまえって感じで、Tの言うことを無視して・・・。


私「そっちの人って社会人?」
T「そうだけど・・・違うの私この人とはまだ何もしてないから!」
私「いやこれからするとこだったんでしょ?wまあいいけどさ。

結婚はされてるんですか?」
男「・・・・・」

この辺りからもう気持ちが冷静になってきてました。

というより、Tの手を引っ張ってるときにあーもう戻らないんだな俺ら・・・とか、そんなこと考えて投げやりな気持ちになってたというのが正しいですね。


私「いや別に訴えるとかそんなじゃなしに、結婚はしてるんですか?」

・・・と聞くと、男は静かに掠れる声で「・・・はい」と言いました。

先ほどは冷静に見えたけれど、この人も半ば諦めてるんだという気もしました。


私「あーそう、そうなんだ・・・へー・・・不倫してたの?」
T「ちが・・ご飯食べてただけだから・・・ホテルのほういったのも乗り気じゃなかった」

「そのわりには楽しそうだったねー」と言うと、Tはうつむいて黙りました。


私「じゃあまあ慰謝料請求とかしちゃおっか、俺には金入らないけど。

奥さんとか大変だろうし携帯出してよ、そっちの」

Tの血の気がさらにひくのをみて、もう怒りというよりはなんていうかこう・・・ざまみろwというような最低な気持ちが全面に出てしまい、思わず吹き出しそうになりました、ごめんなさいorz
人の子ですからね!

Tを放置し男の方に詰め寄ると、今度は男の顔が見る見る蒼白に・・・と思った次の瞬間、きびす返して血相変えて逃げようとしました。


そうはいくか、体力には自信があるし、ジム帰りでウォームアップならさっき走ったし。

すぐ追いつき捕獲・・・!と思ったけど意外と力が強い。

一悶着起こしながら何とか押さえ込むと、今度は逆上して私のことを殴る蹴る。

掴み合いでのパンチだから大して痛くはなかったのですが、余りにばしばし殴ったり蹴ったり、あまつさえ「はなせええ!俺は悪くないぃぃ!」とか言ってます。

ああ、はいそうですか。

ハハハ!

もうね、何か切れたね、プッツーンって。


Tとは結婚の約束もするぐらい仲が良かった。

3年間ずっと一緒だった。

心から愛せる人ってほんとにいるんだなーと思えた、これはほんとに思った。


「もう就職したら結婚、子供は2人、両方娘ね!」なんて笑い話も結構本気で話した。


ずっとずっと一緒だと思ってたわけですよ、それがですね。

なんですか?目の前の必死こいて携帯死守しようとしてるこの情けないリーマンに、俺はとられたわけですか?
はー、情けねーと。

もうなんだこの人生、笑えるなwwww
プツンと何かが切れたその瞬間・・・。


男の顔面に思いっきり肘鉄食らわして、続いて前キック。

よろめいたところを距離をとり、即座にワンツー顔面にぶちかましてしまいました。


私「うるせーよwwwどうみてもお前は・・・はあははあははあは!」

もうこのとき半分ラリってました。

小学校・中学校と空手、高校上がってからはボクシングも始めて、前述したとおり、体力にだけは自信ありましたから。

もう、ぼこぼこにしないとだめだ・・・そんな気分でした。


ワンツーぶちあてたので大分意識が朦朧としてる男に掴みかかり、もう2、3度殴ってやろうなんて思いながら、拳を構えたときに・・・。


T「もうやめてよおお!ごめんって謝ってるやんかあああ!」と。


Tの悲痛な悲鳴で何とか留まり、鼻血噴出してうんうん唸ってる男を離し・・・。


私「とりあえず携帯だして」と一言。


しかしもう意識も朦朧としてるのか「は・・・へえ」と情けない声を出しながらうずくまってしまうだけ。

こりゃどうしたもんかと思ってると、Tの声を聞いてTの両親登場。


T母「えええ、これどないしたんT!◯◯くん!どないしたんこれなぁ!その人は?」

しどろもどろながらもTが事情説明、浮気のことは曖昧にはぐらかしたので・・・。


私「ああ、浮気したんですよ、この既婚者の人と」ときっぱり伝え、
T母「ここだったらなんやからとりあえず中、入り・・・」と消え入りそうな声のお母さん。


本当にごめんなさい。

二人はほんと良い両親で、無愛想で893みたいだけどやさしいお父さんと、天使みたいなお母さんでした。

あのときの顔は今思い出しても胸が痛いです・・・。


T、私、浮気相手の男と両親の5人でとりあえずビルで会議。

私はもう別れますということを伝え、男のほうはお父さんが携帯を奪い取り、奥さん宅に電話。


事情を説明し、何とかビルの方に来てくれることとなりました。

とにかく怪我がひどかったので応急処置をしましたが、男は謝りも何もせず、ただ無言でずーっとがたがた震えてました。

Tはもう涙目でずっと俯き、Tのお母さんは私にずっと「ごめんねぇ」と謝ってました。


やがて奥さんが辿り着き、男の顔見て唖然。

私はそのことに対し深々と謝罪し、「もし法的な話があるなら受ける」と言いましたが、奥さんはもう事情を知っており、それにこれで2度目の不倫だったらしく。

慰謝料請求だなんだは旦那にのみする、Tとのことはまだそんなに長くもないので・・・とかなんとかで示談。


なんとなく納得はいかないものの、T勝ち越し。

あまつさえ復縁狙いだから始末がつかない。

もうずっと「ごめんごめんごめん」ばっかり、「寂しいからやった」とかそんなお決まりなあれ。


「もうわしゃきいてられんよ、うちかえってねゆ!」と言い、両親と奥さんに深々と礼をして、最後に目の前で携帯へし折って「もう二度と顔も連絡も見たくないしするな」と言って、帰りましたとさ。


浮気相手黙ってるし、Tはもう泣きべそかいて念仏みたいにごめんごめんを繰り返してるし・・・。

どうしようもない状況で頭に血が上ってて、何か壊さないとやってられない気分だった。

ちょうど携帯も古い機種だったから結果オーライなんじゃよ。


もう3年も前だから大分脚色入ってるけど大体事実です。

その後はTから大学の知り合い関係から連絡とろうと必死になってましたが、友人関係には全員しっかりと事情を話しておいたので。

何とか事無きを得ました。


私はというと携帯新機種に変えたり、就職活動であっちいったりこっちいったりで、もう何か泣く暇もなく過ごしました。


結局泣いたのは半年後。

就職が決まった嬉しさと、ここまでがんばって就職活動したのは彼女のためだったんだと、そう思ったせいで油断して、少しだけ泣き笑いしました。


なんていうか、一人身最高。