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ちょっと静かなんで友達の会社の上司に起こった話を投下。

1年くらい前の話な。

また聞きなんで推測で書いてる所は理解してくれ。


友達会社上司=旦那さん(40)
妻(38くらい)
旦那さんと妻は共通の友人がきっかけで結婚。

どうやら不妊で子供はいなかった。

でも、とても仲良くて旦那さんのデスクには二人の2ショットの写真が置いてあったらしい。

しかし妻に変化が訪れる。


残業が増え飲み会が増え急にお洒落になり携帯を頻繁にいじり、セックスレスになる。

旦那さんも変だと思ったようで友人に相談したらしい。

でも浮気と確証があるわけでもなく、まだ妻を信じているから様子を見ようと思った矢先、妻は事故死(交通事故)してしまった。


浮気疑惑どころではなくその後の対応、葬儀、初七日まで進み、しばらくして落ち着いた所で旦那さんは妻の会社用のバッグに知らない携帯があるのに気付く。

その携帯のメールには1年前から続く不倫の事実が克明に記されていた。


相手は会社の上司、妻子有り。

残業や飲み会は嘘。

会社の旅行は二人での旅行。

画像フォルダにはラブホで撮った二人の写メ。

最近のメールには早く離婚して一緒になろうというやりとり。

(個人的にはただのラリ期だろうと思うが)
普通だったら怒ったり半狂乱になったりするよな。

不倫相手に慰謝料を請求したりするよな。

しかし旦那さんは優しすぎた。

妻に申し訳ないと思ったそうだ。

死んでからも好きでもない自分と共に暮らしていくのは可哀想だと思ったらしい。

だから魂は好きな人の所へ。


旦那さんがとった行動は普通の感性では狂気じみたものだろう。

他は知らないがここいらの地方では49日で墓に納骨する。

旦那さんは49日を待たず、妻の実家の許可もとらず、ある日曜の昼に不倫相手の自宅を訪れた。


骨壺を持って。


当然不倫相手もその妻も子供もいる。

仰天しただろうな。

旦那さんは淡々と説明したらしい。


「あなたの事が本当に好きだったようだ。

あなたとのメール、写真は大切に保存していた」
(これもプリントアウトして持参したらしい)

「奥さんには申し訳ないが、妻を側に置いてやって欲しい。

それだけでいい。

妻の最後の望みを叶えてやって欲しい」

そう言って骨壺と資料を置いて帰ってきたそうだ。

しかし、受け入れられるわけなく、骨壺は後日妻実家へ返還された。


旦那さんのその後は職場を辞め、妻の実家に全てを話してから絶縁し、今は自分の実家に戻ってるそうだ。

働いてないらしい。

多分もう壊れてしまったんだろうと思う。


不倫相手はというと激怒した妻両親が会社へ通報。

不倫相手は自主退職という形で事実上の解雇。

もちろん妻子とは離婚のようだ。


旦那さんはひたすら俺が悪いの一点張りだったらしい。


「好きな人がいるのに自分が縛り付けていた。

自分が用意した墓に入れるのは可哀想だ」

周りの慰めというかアドバイスも一切頭に入らなかったみたいだ。

多分復讐というより、気が触れてしまって前後不覚になったんだろうな。

1年経つけど、友人は旦那さんの近況を時々確認してるらしいが、もはや別人で何を話してるのかよくわからないといったところ。

骨壺事件ぐらいまでは気丈だったみたいだけど、それ以降は廃人みたいらしい。

いわゆるヒッキーみたいなもんだ。

友人の上司といっても年が近く仲がいいみたいなんで友人も心を痛めてる。

慰謝料とか奨めたみたいだけど、取り合ってくれないとの事。


>彼を受け入れる姿勢
友人も最初だけ制裁の選択肢を示して後は、上記に徹しているとの事。

ただ旦那さんの身内が怒り心頭らしい。

でも、妻実家に今更何だかんだ言えないしね。


旦那さんの数少ない発言で一番心に残ったのが「妻の言葉が聞きたい」。


真意はわからないけど、俺が思うに、旦那さんへの愛がどれ程だったのか知りたいんだろうな。

あったにしろなかったにしろ、本当の気持ちを知りたかったんだろうと思う。


今となっては気持ちなんかわからんからね。