kimamamh120500323


これからする話は、ついこの前あった話だ。




まず俺は高校2年の男子である。


俺の高校・・・というかクラスは一番後ろの席ともなると、後ろの壁と容易にキスでもできてしまうような位置となる。

ロッカーは教室を出た廊下にあり、みんな教科書をそこに置いている。

なので、授業の合間の休み時間になるとロッカーに物を取りに行く人たちで後ろの席のあたりは大変混雑する。




そこで事件は起きた!!



俺の席はというと・・・そう!!一番後ろの席。

授業中は心置きなく寝ることができて快適な生活を送っている。

席替えする前は一番前だったので、今の席は天国と呼んでも過言ではなかった。


さらに、その天国を限りなくイデア界に近づけた出来事があったのだ。




いつもどおり一時間目のかったるい数学の授業を適当に流し、一息ついていると、これもまたいつもどおり交通量が増えてきた。

ぶつかっていく人にイライラしつつ、次の時間の道具を準備するため机の中をごそごそやっていた。

すると、バタンバタンとロッカーを閉める音がして、取りにいった人々が戻ってきた。

また、俺のいすに足を引っ掛ける輩にイラッとした・・・・・



!!!!!?

!!!!!?






ん!?

な、なんだ!?

俺の背中の神経たちがざわめきだした。

突然戦争でも起きたかのような神経たちのざわめき様でただ事でないことが起きたのが分かった。


そしてこの感触は!!

俺は瞬時に悟った。


誰がっ!?(誰の?)と思いすぐさま左に顔をやった。


映し出されたのは、





彼女は授業中は物静かで気品あるかんじの美しき人、それでいて普段は活発で明るくボーイッシュな一面を持っている人だった。

もちろんスタイルはよく、胸もあった。

顔も整っていて、目はくりっとしていてかわいらしかった。

そしてなにより、自然に茶色を帯びた髪はナタリー・ポートマンにも匹敵するほど麗しく、彼女の横顔は一度見たらいつまでも見ていたいと思ってしまう・・・





そう、思ってしまった。


ミナミはそこに立っていた。


       時間が止まった。


そう感じた。

そしてハッとする。


「え!?」

なによりも先に出た。


「ん?」

ミナミが俺をみた。


「え!?ってなによ」

「あ・・」

俺は動揺した。

焦った。

「ミナミじゃないのか?」

そんな俺をみてミナミはニコッと微笑んだ。


「なにそんな焦ってんの?」

笑われた。


でも、わかった。

確信した。

なぜなら、彼女も顔を赤くしていたから。


「もしかしてさっき・・・」

そういって、彼女を指差した。

(き、君っ!?みたいな)

笑った。


「ふふっ」

明らかに照れていた。


そのときさっきの感覚が舞い戻った。






制服という壁をはさみながらも感じる果てしなくやわらかく心地よい感覚。


それでいて、どこかしっかりとしている。


体中が熱くなった。


頭が一瞬にして白くなり、ぶっ飛んだ。


一瞬自分が分からなくなる感覚。


心臓が多量の血液をいっきにおくりだし、老化した。






「わざと?」

信じられずにきいた。


「うんっ」

恥ずかしそうに笑いながら答えた。


心臓がはじけそうだと悲鳴をあげた。




目が合い、思わずお互いに笑った。