kimamamh072100299


都会の大学を出た俺・山本ケンは、ある地方都市にある、従業員200人の「中部(なかべ)工業」にエンジニアとして就職した。



就職して4年間は、特定の女の子とつきあうこともなく、がむしゃらに働いた。

地元の実家は分家で、本家に頭の上がらない生活は嫌だし、別れた彼女理香の面影のある都会も嫌だった。知らない土地で暮らしたかった。

そんな26歳の夏の日、社長、中部真一郎氏の自宅に呼ばれた・・・・・

 

酒が入っての雑談。社長は「今、つきあっている女性(ひと)はいるのか??」

「いいえ」

「そうか。では、君は童貞か??」といきなり聞いてきた。

愛人の噂の絶えない社長のこと。単なるエロ話かと思い「いいえ」

さらに、女性遍歴を聞かれた。ウソをついても仕方がないので、答える。




初体験相手の洋子(高校生・バージン)、3年生の夏から1年間つき合った理香もバージンだった。後は、バイト先の先輩たちの単発的に……。

酒の力や大勢で、無理矢理女を犯したことはない。とも答えた。

 

「実は、娘の真帆(22)が君のことを気に入っているのだが、どうかね」

俺は、一気に酔いが醒めた。

確か、大学を出てから事務所をうろうろしたり、エンジニア見習いのようなことをしていた社長の一人娘。

小柄で、胸も尻も小さく、だふだぶの制服が似合わない。また、私服のワンピースを着ている姿は、まるで少女のようだった。

社長の娘でもあり、交際相手としては意識していなかったのだが、せっかく声がかかったので、ひとまず会うことにした。

 

初回のデートは水族館。水色のワンピースを着てきた真帆。体型が強調されないスタイルなので、初々しく見える。二の腕やふくらはぎに女性らしさを感じたが、その日は手をつないだだけだった。

その後のデートでも、腕を組んだり、肩を抱く程度。

話題の中で、真帆は高校時代に付き合っていたという渡会(わたらい)君の話題を持ち出し、延々と語り出した。

学校帰りに手をつないで帰ったりしたことや、父親に見つかって怒られたことなど。逆に言うと、真帆の男性との付き合いはその程度と言うことになる。

「ケンさんは??」言葉に窮したが、ウソを言っても始まらない。本気で好きだった人がいたが、別れてしまい、都会も故郷も捨てたことを簡単に話した。

 

【真帆と旅行の計画】

晩秋のある日、レストランでの夕食のあとデザートを食べていると、真帆が某リゾートのパンフレットを出し「ここ行きたい」と蚊の鳴くような小さな声で、真っ赤な顔をして言った。

「お父さんに宿取ってもらうから」と真帆は続けて言った後、しまった、という感じで口をつぐんだ。

これで全てを理解した。

只の旅行の誘いではない。

真帆と(父親である)社長との間には話しがついているはずで

真帆との旅行→真帆と結婚(婿養子)→次期社長

というレールの上に乗るはずだ。

 

確かに、数ヶ月の交際で真帆のことを好きになっている。

体の関係があったわけでもなく、プロポーションがいいわけでもなく、話がうまいわけでもないのだが、人を好きになるということはこういうことなのか。

また、真一郎社長の人柄も会社もこの土地も気に入っている。故郷も捨てたつもりなので、山本の姓に未練はない。家は故郷に就職した弟が継ぐはずだ。(歴史はあるが、分家なので大したイエではない)

 

俺は黙ってうなずき、そのまま食事を済ませ、真帆を送っていった。お互い無言だが、意識は湖畔のリゾートへ。

 

翌日の午後、俺は社長室に呼ばれた。

「山本君、クーポン券だ。真帆のことを頼む」安堵と緊張が入り交じった表情の社長。只の旅行クーポン券なのに、とても重く感じられた。

 

当日。ピンクのニットの上着に、花柄のロングスカートという出で立ちで現れた真帆を助手席に乗せ、晩秋の湖畔のリゾートホテルへ。車と荷物を預け、遊覧船に乗って紅葉を鑑賞したりするが、真帆は明らかに落ち着きを欠いている。

午後4時。空気が冷たく感じられてきた。

「部屋に行こうよ」と蚊の鳴くような声で真帆が言う。

「えー、『オルゴール博物館』見に行くんじゃないの??」と意地悪を言うと、俺の体にしがみ付いて、半分怒ったような顔をした。

 

【ホテルの部屋で】

ベルボーイが去り、二人きりの部屋。眼下には、湖が広がっている。

真帆も並んで景色を見ているが、そわそわと落ち着かない。

「真帆」声をかけ、細くて折れそうな体を抱きしめる。

真帆も抱きつき返してくる。

一旦体を離すと、真帆は目をつぶって上を向いていた。真帆の唇に自分の唇をそっと合わせる。温かくて柔らかい感触。真帆は心なしか震えている。

唇を合わせるだけの長い長いキス。終わると、真帆の口から吐息が漏れた。

 

真帆をソファに座らせ、肩を抱きながら暮れゆく湖畔を眺める。口火を切ったのは真帆。

「ケンさん……私、まだしたことがないの……何も分からないけど、いや??」

「そんなことないよ、真帆、喜んでいただくよ」

真帆は緊張して固くなっているので。とりあえず、部屋の明かりを落とし、カーテンを閉め、ベッドに促す。

服を着たまま抱きしめ、ニットの上から胸を包み込むようにそっと撫でる。

「あんっ、くすぐったい……暑くなってきた」まあ、暖房を強くしたからね。

ニットとキャミソールを裾から持ち上げて脱がし、下もスカートとストッキングを脱がす。殆ど暗闇なので、抵抗なく脱いでくれた。

耳を舐めながら胸を揉むと

「恥ずかしい」

「???」

「胸、小さいでしょ」確かに、片手ですっぽり包まれる位の小ぶりの胸。揉んだ感触しかないが、中身はしっかり詰まって、張りもある。

「かわいいよ。早く明かりをつけてじっくり見たい」

「お願い、もうちょっと待って。」

俺は、暗闇の中、指で背中や脇腹を撫でると、真帆は身もだえていた。

(愛撫しながら自分もパンツ1枚に)

ふくらはぎ、太ももを撫で、いよいよ内股へ。

ショーツのお腹の部分をそっと押し、恥丘をそっと撫でる。ショーツ越しにヘアの感触がする。そして、局部をクロッチの上から軽く触ると………すでにそこは湿っていた。

「真帆、触るよ」

「うん、くすぐったいような、ゾクゾクするような感じ」

そう言いながらも呼吸は荒くなっている。

局部を撫でながら、背中に手を回して、ブラのホックを外し、ブラを上にたくし上げる。

「ちょっとぉ、どうやって外したの??」

その質問を遮るように、乳首を指で転がし、口に含む

「ああんっ、くすぐったい。でも気持ちいい。乳首っておいしいの」

「うん、塩味が利いて、おいしいよ」

 

「あっ、汗くさくない??」

「真帆のいい匂いがする」

「ねえ、シャワー浴びたい」

真帆の局部を押すと、そこは大洪水になっていた。真帆も気が付いたらしい。

 

「そうだね、シャワー浴びるか」と俺は部屋の照明を付けた。

「きゃあ」ベッドの上には、真っ赤な顔をしてショーツ1枚だけ付けた真帆がいた。

胸は大きくないが、それでもかわいく膨らんでいて、垂れていない。体も、スリムではあるが、思ったよりは肉が付いている。お腹にも適度な肉が付き、あばらも出ていない。なによりも、真っ白く光り輝いて見えた。

「真帆、きれいだよ」

「ケンさんに見られちゃった」

 

傍らにあった寝間着を手に取ると、真帆は身を縮めるように風呂場へ。少しして、俺も付いていく。

「きゃっ」

「入れて」

「うん・・・・ケンの大きい。それでよくズボン穿けるね」

「普段はもっと小さいよ。これは真帆用のサイズだよ」

「触っていい」「ああ」

「こんな大きいの、私の中に入るの??」

「大丈夫だよ」

「固い・・・」

今まで見たことはないのかと尋ねると、友達が冗談で見せてくれたAVぐらいしかないという。モザイクがかかっていたので。モザイクの向こうが気になっていたとか。

 

俺は、真帆の体をじっくり眺めた。肩や太ももなど、何となく体の線が固い。まさにバージンの体。

以前にも別の女の子のバージンを頂いたことがあるが、やはり、体験を重ねると体の線が丸くなってくる。

この真帆の体をしっかりと目に焼き付けた。

 

全裸のままベッドに戻り、布団をかぶると再び抱き合ってキス。そして、胸とうなじの攻撃に移る。

最初はくすぐったそうにしていたが、次第に吐息が荒くなり、乳首を舐めたりすると「あんっ」と声が出るようになった。

足元に回り込んで、太ももの内側から局部に舌を這わせる。すると、あっという間に濡れてきた。

ピンク色の局部も、いずれは黒ずんでくるのか・・・・感慨深く眺める、と、

「ケン、恥ずかしいよ」

「真帆、最初はしっかり濡らさないと」と適当なことを言う

舐め続けると「あん、あんっ、あんっ」と喘ぎ声が再び出るようになった。

「気持ちいいの??」

「何だかしびれるようで、気持ちいい」

 

「挿れてみようか」

「うん……でも、こんな大きいの入るの??」

真帆をベッドの下の方に横たえ、足を開く。あの、少女のような真帆が、おっぱい丸出しで足を開いて俺を受け入れようとしている。

 

逸物を局部にあてがい、押し出すようにする。先っぽは入った

「入ったよ」

「何か、アソコが広げられたような感じ」

「奥に進むよ」

そう言って、腰を前に押し出す

「痛いっ!!」

「真帆???」

「何か、裂けるような感じがする。でも、続けて」

俺は更に腰を押し出す。ものすごく締まる。

「あああああっ、」真帆が絶叫する。

「奥まで入ったよ」

「あそこがこじ開けられたように痛い。動くの待って」

俺は、逸物を突き刺したまま、真帆にキスをする。真帆は涙を浮かべていたので、唇で吸い取る。

「ケン、やっと一つになれた。うれしい」苦痛に歪みながらも、嬉しそうに言った。

 

「動くよ」「ええ」

そろそろと動くが、やはり痛いみたいだ。

昔の女みたいに、ピストンするとよがり声を上げて逸物を締め付けてくれるようなエッチとは大違い。

しばらくそろそろと動いていたが、真帆の愛液が少なくなってきたのか、滑りが悪くなったので、一旦抜くことにした。

真帆の股間、腰の下に敷いたタオル、俺の逸物は血に染まっていた。

 

「ケンさん、ごめんなさい」

「???」

「気持ちよくなかったでしょ。」

「あんなAVのようなエッチと一緒にしたくないよ。今のは、俺と真帆が一つになるための大切なセレモニーだ。いまに真帆も感じるようになるよ」

「ケン・・・」真帆はしがみついた。

 

血の始末をしたいというので、別々にシャワーを浴びて再びベッドへ。

「ケン、小さくならないね」

「ああ」

「手コキっていうのやってみたい。精液が出るところ見てみたいの」

そういうと、枕元にあったローションを手に取り、俺のを扱きだした。

握り方とか強さとか教えると、真帆はすぐにこつを掴み、俺は発射。真帆はしげしげと眺めていた。

 

【第2回戦】

翌日も観光地巡りをするが、真帆は腕を組みっぱなしだし、人が回りにいないとキスをせがんでくる。

昼食を食べた後、真帆が言った。

「ねえ、部屋に戻りたい」

ホテルに電話をして、部屋の清掃が済んでいることを確認すると、ホテルに戻った。



昨日は、間にシャワーで中断されたので、先にシャワーを浴び、室内着に着替えてベッドに横たわる。



カーテンを閉め、薄明かりの中、真帆の服を脱がし、ブラとショーツだけにする。

ブラを外すと、小さな乳首はぴんぴんに立っていた。

口に含むと「ああんっ」と腰をのけぞらせた。

耳を舐めながら乳首をこね回すと、真帆は喘ぎ声を上げて腰を振ってよがりだす。

ショーツを脱がせ、局部に触れてみると、すでに大洪水。

クリを舐めると「ひぃぃぃぃ、しびれる」と



俺の逸物は立っていたが、真帆はおしゃぶりはしたくないようなので、ローションを垂らして手でこいてもらう。

で、真帆を横たえて挿入。

「ああんっ」

「痛くない??」

「少しだけ痛いけど、気持ちいい。ピストンしていいよ」

俺は、ゆっくりではあるが前後にピストンする。

「あんっ、あんっ、あんっ、気持ちいい。もう痛くないよ。あんっ」

 

まだまだ反応はぎこちないが、締め付けの良さに俺は逝きそうになった。

「真帆、逝くよ」

「いいわ、出して」

俺は、逸物を抜くと、お腹に振りかけた。

 

「ケン、気持ちよかった」

「真帆」俺は、腕枕をする。

「ケンの、ちっちゃくなっちゃった」真帆は、俺の逸物をこね回す。

「ん、ケン、また大きくなってきたよ」

「うん、真帆が魅力的だから」

「まあ、ケンったら。もう一回しようか」

 

今度はバックから責め立ることにする。小ぶりのお尻を抱え、背中から手を回して胸を揉み、ピストンする。

最後は、お尻に振りかけた。

「何か当たるところが違って、バックも気持ちいいね」と真帆。



 

【クリスマスイブのこと】

旅行から帰ってきたあとも、俺たちの交際は順調だった。真帆の家に行くこともあったが、階下にいる両親に気を使うので、アパートに来てもらうこともあった。

会社の中でも話が広まりつつある。話の出所は社長で真帆の父親の真一郎氏。ちょっとプレッシャーを感じる。

 

クリスマスイブのある日。真帆の両親&真帆と食事をした。レストランを出るとき、真帆は父親の車からカバンを取りだすと俺の車に乗り込み、アパートに泊まりに来た。

「よくOKしてもらえたね」

「う、うん」

「何か緊張してない??」

「そ、そんなことないよ」

車中の真帆は何となくぎこちない。

  

通りがかりのコンビニでケーキやワインなどを買い、アパートへ。

真帆は黙ったまま。

「真帆、何か変だよ??」

「ケンさん、あの………」

「何でも言いなよ。」

「私、どうしよう」

「???」

真帆はとうとう言った。「一緒になりたい」

「真帆、それは俺のせりふ……」

「でも……」

少し前に真帆は父親と話した。真帆はケンのこと好きだし、父親も気に入ってくれている。真帆は22歳とまだ若いが、結婚に異存はない。



但し………

真帆は社長の跡取りであり、社長自身が長男なので、婿(むこ)を取らなくてはならない。

ケンは旧家の長男と聞く。長男に婿に来てくれ、と言えるだろうか………

真一郎氏自身も、親戚から家を絶やさないで欲しいと言われていて、悩んでいる。

 

「私、どうしよう」真帆は泣きだしてしまった。

ケンは真帆を抱きしめて言う。

「真帆。君と一緒になるんだったら、婿でもいいよ。」

「えっ」

「旅行のチケットをもらったときに、その覚悟は出来ているよ」

「あなた、長男でしょ」

「俺は故郷を捨てたんだ。地元に弟がいるから、奴に継がせるよ。実は、旅行の後に兄弟で話して、快く引き受けてくれたよ」

「ケン」真帆は俺にしがみついてきた。



 



【初めての中だし】

少しすると、真帆がキスをせがんできたので、長い長いキスをする。

「お風呂入ろう」狭い風呂なので別々だが。

お互いにパジャマ姿になった。色気も何もない普通のパジャマだが、いつもと違って見えた。

間もなく、俺の妻になる人なのだ。

長い髪は束ねられていて、うなじが色っぽい。

並んで座ると、まず耳から責めた。

「あんっ」早速息が荒くなる。

そのままパジャマのボタンを外し、胸を揉み、乳首をこねると

「ケン、ちょっと待って」

「??」

ベッドに座らされると、ズボンとパンツを下げられ、逸物がむき出しになる。

そして、ぱくっ、とくわえた

「真帆、無理しなくていいよ」

真帆は無言でピストンする。ただ上下するだけだが。

「奥さんになるんだったら、このぐらいできないと……うえっ」

真帆は、喉の奥まで入れようとしては「うえっ」とえづいている。

確かに気持ちはいいけど、真帆の表情を見るといたたまれない。

「真帆、ありがとう。もういいよ」

真帆は口を外すと

「ケン………ごめんなさい。口で逝かせてあげられなくて」

「そんな、AVのまねなんてしなくても……大丈夫。真帆の気持ちだけで嬉しいよ」

「ケン……ありがとう。結婚までにはお口で出させてあげたい」

そういうと、パジャマとショーツを自分から脱ぎ、ベッドに横たわった。

 

真っ白な体。スリムで胸は小さいが、太ももや腰には肉が付き、ガリガリという印象ではない。

小さくてピンク色の乳首、薄目のヘア。俺しか知らない体。

俺はしばし見とれたが、服を脱ぐと明かりを消して胸にむしゃぶりついた。

 

胸を脇から揉み上げ、股間を撫でるとあっという間に大洪水。

「ケン、欲しいの」と真帆

逸物を差し込み、締め付けられるような気持ちよさ。

あ、ゴム忘れた。

「ゴム忘れた」

「抜かないで、中に出して」

「赤ちゃん出来ちゃうよ」

「今日だけは中に出して欲しいの。今日できちゃったら育てようよ。今日だけだよ」

俺はうなずくと、ピストンを激しくした。

生で中だしOKなので、いつもより気持ちいい。体位を変えるのももったいない。

真帆も気持ちよさそうに喘いでいる。

 

「真帆、逝くよ。出すよ」

「ケン、出して、私も逝く〜っ、ああああああああああっ」

俺は頭が真っ白になり、真帆の中に放出した。

「ケン、ケンの子種が当たる〜っ」

真帆はそう言いながら局部を締め付けてくる。

しばらく抱き合っていたが、俺の逸物が小さくなり、抜けた。

 

出来ても構わなかったが、それでも……ということで、シャワーを浴び、局部を洗って、抱き合って眠りについた。

ケーキを食べる暇もなく。

 

(結局赤ちゃんは出来なかった)



 

【結婚に向けた動き】

冬休み、俺は急遽帰省した。真帆と真帆の両親もついてきた。

新幹線のグリーン車から降り立つ俺たちを弟と両親が迎える。

「ケン……」不安そうな目をした母が歩み寄ってきて、心が痛む。

 

弟の車に乗って実家に着き、真一郎氏は、普段通りの野太い声で話し始めた。

自分の経営する会社のことや、俺の仕事内容など。そして「ケンくんを頂きたい」と頭を下げた。

両親は背中を丸めてぼそぼそと受け答えするだけだった。

 

話が終わり、簡単な酒食の後、真帆と真帆の両親は最終の新幹線で帰るためにタクシーで駅に向かった。

タクシーを見送った後。

「おやじ、ごめんな」

「まあ、社長さんの大事な一人娘の結婚相手にお前が選ばれたんだ。悲しんではいないさ。こんな小さな家(分家)にしがみつかなくてもいい。だけど、婿に行ったとなると、ここには帰ってこれないぞ。覚悟はいいな。弱音を吐くなよ」と父が励ましてくれた。

 

翌年の春、両親がこちらにやってきて挨拶と打ち合わせ。会社のスタッフが総出でもてなしてくれた。

会社を見学して威容に驚き、結婚式会場でもある「ダイヤモンドホテル」に宿泊し、帰っていった。

 

結婚式の日取りは今年の10月。夏休みも色々と準備に追われる毎日だった。

 

そんなある日・・・・

 

【真帆の同窓会】

勤務先の社長の一人娘・真帆(23)との結婚式を秋に控えた夏。新生活の準備などに時間を費やしている俺(27)たちがあった。

 

 

お盆休みの最終日、真帆は同窓会に行くとのこと。

俺も、友人と呑むためにバスで駅前に出たのだが、友人に急用ができてキャンセルに。

本屋で帰りのバスまでの時間つぶしをしていると「ケンちゃん??」と聞き覚えのある声が。振り向くと、大学時代の彼女、理香だった。

「理香!!、久しぶり!!」

「時間あるの??」

「俺は暇だけど」

「ちょっと話そうか」

 




理香は、仕事でこの町に来て、今は空き時間。

理香の宿泊先である「プリンセスホテル」のラウンジかレストランで喋ろうとするが、ホテルは会合の利用客でごった返して、落ち着いて話せる雰囲気ではない。

結局、商店街の弁当屋で地元の名物弁当を買い、理香の部屋で食べることになった。

 

結婚前の身でありながら、元カノの部屋に付いてきてしまったのは、真帆や義父(になる社長)と毎日顔をつきあわせている状態から逃避したかったかもしれない。

同窓会に行っている真帆は、懐かしい旧友と過ごす時間で、俺が入り込む余地はないだろう。こちらも「二人きりの同窓会」なんてね。まあ、結婚前の大切な時期だから、Hするつもりはないけど。

  

【理香との思い出】

大学3年の夏、バイト先の結婚式場で1つ年下の理香と知り合った。

アプローチしたのはケン。理香はケンの熱愛に応え、バージンも捧げてくれた。

が、就職活動で忙しくしているとき、理香が他の男とホテル街を歩いているのを発見。

喧嘩してそのまま別れてしまった。ケンは、理香の思い出から逃れたくて、都会での就職を避けた。

 

【理香の部屋で】

シングルが満室とかで、理香は5階にあるダブルの部屋に泊まっていた。窓際のソファセットに腰掛け、弁当を広げる。町で一番の弁当に、理香は喜んでくれた。

理香は都会の大学を出た後、そのまま都会の会社に就職。ラインを視察するため、この町にある工場に来たという。俺と別れた後、交際相手の遍歴を重ね、今は特定の彼氏はいないとのこと。

俺は……大学を出た後、彼女も作らず過ごし、会社社長の娘と婚約中であることを話す。

弁当を食べ終わり、理香は酒を買いに行った。

ふと、窓の外を見る。道1本隔てた隣は「スカイタワーホテル」そう言えば、真帆の同窓会場のホテルである。お盆休みのため、殆どの客室の明かりがついている。

部屋の様子を眺めていると、俺の目線は、2つ下の階の客室で釘付けになった。

 



【スカイタワーホテルの客室の光景】

その部屋はカーテンが開け放され、二人用のソファに男女が並んで座っている。女性が着ている水色のワンピースに見覚えがある。まさか・・・・

目を凝らしてみると、体型や髪型が真帆そっくりだった。俺は、カバンの中からカメラを出し、ズームレンズを最大望遠にして部屋を見ると……

 

やはり真帆にしか見えない。

男は写真で見覚えがある。真帆の初恋相手の渡会だった。確か、奴は結婚していると聞いたのに………。

(手ぶれ防止のため)カメラを窓框に置き、オートでシャッターを切った。

意外と冷静な俺がそこにいた。信じられない。

渡会は、真帆の肩を抱き、唇を合わせ、真帆がすぐに離す。

 

渡会が耳元で何かささやくと、真帆は立ち上がり、渡会の方を向いて立つ。そして、自らワンピースの裾を捲り上げ、ほっそりとした太ももと、その付け根を見せた。渡会の目の前には、ストッキングに包まれたショーツが見えているはずだ。

真帆の陰になって見えないが、渡会に動きがあった。真帆が腰をくねらせているので、局部を触られているのだろう。

 

本当に真帆なのか……

俺は、携帯電話を取り出すと、真帆に掛けた。電話の向こうで呼び出し音が鳴る。

階下にいるワンピースを捲り上げられて腰をくねらせている真帆は、バッグがあると思われる部屋の奥に視線を向け、カバンの所に行こうとするが、渡会に腕を掴まれて止められる。

そして、渡会は立ち上がり、真帆の背中に手を回すと、ワンピースのファスナーを下ろし、ワンピースを床に落としてしまった。

電話は「おつなぎできません」と切れてしまう。呆然とした俺は、携帯の電源を切ってしまった。



真っ白なブラジャーとストッキング、真っ白なショーツだけになった真帆の股間を、渡会の指が責め、真帆はソファに崩れ落ちてしまった。

渡会は、真帆の隣に座ると背中に手を回し、ブラを外す。

Aカップのかわいいバストや小さな乳首が、婚約者の俺ではなく、他の男の前に晒されている。

 

俺は、頭の中がパニックになってしまった。

ホテルの客室は、プライバシーの固まりである。「婚約者が襲われています」とフロントに駆け込んで……、いや、あれはどう考えても襲われているのではない。フロントに行っても追い返されるだけだ。写真を撮るのが精一杯だ。

ところで、どうしてカーテンが開けっ放しで渡会はこんな事を始めたのか・・・

スカイタワーホテルは、3階から上が客室だが、道を挟んで相対する(こちらの)プリンセスホテルの4階から下は宴会場で、窓がない。渡会の部屋からは壁に描かれている電飾が見えているはず。

 

【理香とのぞき見】

と、部屋の扉が開いた。そうか、俺は昔の女の部屋にいたんだ……

「ケン、お待たせ。私好みのワインがなかなか売ってなかったのよ」

Tシャツとジーンズ姿の理香がボトルを3本も抱えて帰ってきた。部屋備え付けのグラスを出し、ワインを注いでくれる。むちむちボディの理香のTシャツは背中に貼り付き、ブラの食い込みが見える。ジーンズも尻に食い込んでいて、尻の割れ目やショーツのラインも見える。

「何見ていたの??」

「あの部屋、すごいよ。カップルが……」俺は冷静を装って理香に問題の部屋を示した。

「本当だ、男の子、おっぱい舐めてる。かわいいおっぱいね。でも、ちっちゃくてもちゃんと感じるんだね。女の子、気持ちよさそうにしているわ」理香の一言一言が胸に突き刺さる。

理香は、部屋の照明を落とすと、俺の後ろから絡みついて覗きに加わる。理香のバストの感触が背中から伝わってくる。

いつの間にか、真帆のストッキングとショーツは脱がされるが、二人は立ったまま。

渡会は胸を舐めながら股間を擦っているようだ。真帆の身もだえる姿。おとといエッチしたときの表情そのままだった。

 

「あーっ、彼氏があそこ舐めてるよ。気持ちよさそう。いいなぁ」理香が心持ち興奮した声で言う。

真帆がソファに座らされ、渡会が舐めていた。

「そうだね」俺の口の中はカラカラになっていた。

「はい、どうぞ」理香がワインを勧めてくれる。俺は一気に飲み干し、何杯もお代わりした。

気がつくと、渡会もソファに座り、真帆に自分の肉棒をしゃぶらせようとしている。

真帆はおしゃぶりが苦手で、俺自身も数えるほどしかしてもらっていない。

果たせるかな、真帆は拒否した。少しほっとする。ほっとしている場合でもないのだが。

 

「ケンちゃん、ずっと見ているね。もしかして知っている人??」理香がいたずらっぽく聞いてくる。

まさか、自分の婚約者が寝取られているなんて言えないので、

「い、いや、他人のSEX見るの初めてなんだ。最近、婚約者とはご無沙汰だし」と取り繕った。

 

「ケン、私もご無沙汰なの」そう言うと、理香は俺の前側に回り込んで、じっと見つめた。他人のエッチを見ることで興奮しているのだろう。

「…………………………」

「キスして」

これから婿養子になろうという立場の俺、普通だったら断るのだが、異常な状態の俺は、夢遊状態で理香を抱きしめ、唇を合わせた。抱きしめたむちむちの背中は脂がのっていて、真帆の抱き心地とは全然違う。

昔、ワンルームマンションで、一晩中エッチしたり抱き合って過ごしたことを思い出した。

俺たちの長い長いキスが終わり、例の部屋を覗くと、真帆はソファに手を突き、後ろから貫かれていた。

俺だけのものだった小ぶりの尻を掴み、渡会は突き立てていた。

真帆の表情は見えなかったが、髪を振り乱し、腰を振っていた。

 

俺は、涙で視界がぼやけた。「真帆」とつぶやく。

と、俺に絡みついていた理香が「あんた、まさか!!」と驚きの声を上げた。

俺は涙を流しながら頷くしかなかった。もう隠しきれない。

「ひどい……、あんた、あんな肉便器の所に婿に行くの??? やめなよ。証拠撮るね。弁護士頼んだら??」

理香は、置きっぱなしになっているカメラのシャッターを押し、自分の胸に俺の顔を押しつけ、抱きしめてくれた。

 

涙をぬぐって再び覗くと、足を大きく広げさせられた真帆がソファに横たわり、渡会が突き立てていた。

結合部は渡会の背中に隠れているが、渡会の動きに合わせて真帆の体が揺れている。

真帆は気持ちよさそうにしているのだろう。

 

と、真帆が必死に首を横に振る。何か嫌がっているようだ。

間もなく、渡会は肉棒を真帆から引き抜き、顔に掛けた。

渡会は真帆にティッシュを渡し、真帆は顔を拭っている。

 

ゴムを使った形跡はない。おとといのエッチのとき、「危険日」と言われてゴムを付けたことがよぎる。

「真帆、真帆」俺は、昔の女の前にもかかわらず、情けなさで涙が出てきた。

真帆と交際してからは身を慎んできた。真帆のこと、いっぱい愛したはずだった。

  

【理香のひとりごと】

理香は、俺の隣に座ると、再び抱きしめてくれた。大きなバストの感触が顔に感じられる。

「理香、ごめんな。久々に会ったのに」

「ねぇ、ケン。独り言言わせてもらっていい??」

「ああ」

「あの時、私、ケンに一杯愛されていた。でも、就活で愛してくれなくなって、淋しくて、バイト先の後輩に誘われてエッチしちゃったの。遊びで。もし、見つからなかったら遊んだことを一生封印して、節操を守って、ケンと一緒になりたかった。女って、それが出来る生き物なのよ」

「理香……俺は……」

「独り言だから黙って聞いて。ケンに捨てられたあと、私、自棄になってナンパされた男の人についていったこともあった。愛されるより愛さなきゃいけないのかと思って、3人の人を愛した。でも、逃げられた」

「…………」

「私、決めたの。やっぱり、私のこと愛してくれる人のお嫁さんになりたいって」

「…………」

「ケンでもいいんだよ。私のこと、いっぱい愛してくれたらね。」そう言うと、またワインを飲み干した。

「あ、これ、私の連絡先」とメモもくれた。

 

例の部屋は、明かりがついている。ソファには真帆の服が脱ぎ捨てられたままになっていた。ベッドで抱き合っているのか、シャワーを浴びているのか。

俺は、またワインを何杯も飲んだ。

 

【理香と】

まったりと抱き合っていた俺たちだが夜も更けてきた。

「俺、帰るよ」と立ち上がろうとしたが、足がふらついてベッドの上に倒れ込んでしまう。

「ケン、ちょっと休んでいったら」

そう言いながら、理香は俺のシャツのボタンとベルトを緩めてくれた。

「えーっ、立ってるぅ」さっきからの真帆の姿態、理香のむちむちボディの感触に、俺の逸物は立っていた。

理香は、俺のズボンだけ脱ぎ去った。

更に、自分のTシャツとジーンズも脱ぎ、ピンクのショーツとお揃いのブラ姿になった。

少し垂れている大きなバストに、少し出ているお腹。脂ののったむちむちの太ももは昔のままだ。

窓際に行き、カーテンを閉めると、ベッドに乗って、俺のパンツをずり下げた。

「懐かしいわ。このおち○ちんで私のバージン奪われたのよね」そう言いながら、逸物に唾をつけ、擦りだしたが、すぐにくわえてくれる。

 

俺は、覚悟を決めた、というよりは、どうでもよくなった。

理香の背中に手を回し、ブラのホックを外した。

「いやんっ」理香はエッチモードに入った。

おしゃぶりを中断させ、理香を横たえると、胸を揉みながら乳首を吸った。

入社してから一回だけ行った風俗を除けば、久々に揉む大きなバストだった。

「あっ、あっ、」理香が声を出した。昔より感じやすくなっていた。

 

ショーツの中に手を入れると、そこは大洪水。クリを探して擦ると

「ちょっとまって、あんっ、あんっ、ああああああああっ」とあっという間に逝ってしまった。

「やっぱり、ケンの指が一番いいわ。入れて」

「ゴムは??」

「一応安全日だけど……、外に出してくれる??」

正常位になり、理香の中に侵入した。「ああっ」

真帆と違って、少し緩いが、まとわりつくような感触が気持ちいい。

 

「ああんっ、また逝きそうよ」

「俺も逝きそうだ」

「ああんっ、逝くうううううっ」と理香はぐったりした。

俺も逝きそうになったので、ぐったりした理香の中でこすり立て、余裕を持って逸物を抜き、手で擦りながらお腹に出した。

 

「結局、ケンもしちゃったね」

「それを言うなよ、婚約者が目の前であんな事したらどうなるかわかるよね」

「うん。ケンは悪くないよ。ところでケン、あの肉便器とはどうするの??。」

「………」また涙が出てきた

「私の連絡先、持っていったよね。私『恋人募集中』だから、連絡するのなら早めにしてね」

俺は、返事の代わりに唇を合わせて長い長いキスをした。感謝のキスだった。

理香がいない状態であんなもの見せられたら、俺は自棄になって何をしていたか分からなかっただろう。

 

「ケン、送っていくよ」手早く服を着た理香は、俺をタクシー乗り場まで送ってくれた。

 



【自宅で】

自宅のアパートにつき、まず、シャワーを浴びた。冷たいシャワーがほてった体に心地よい。ベッドに横たわるが寝付けない。窓の外、道向かいのファミリーレストランへは幸せそうな家族連れが出入りしている。

真帆と結婚して、幸せな家族を作るはずだった。

だけど、真帆に裏切られた。

やっぱり、社長の婿というのが上手すぎた話だったんだ。

会社を辞め、町を出よう。

待てよ、もし、真帆が脅迫されてレイプされていたのだったら………

・・・・(そのケースだった場合のみ)悪とは戦い、真帆を守らなくてはならない。それだけが引っかかった。

 

と、アパートの裏から排気音も高らかに車の音がして、すぐに去った。間もなく

「ピンポーン」呼び鈴が鳴り、ドアを開けた。



 

【真帆登場】

「まほちゃんで〜す」酔っぱらって足元もおぼつかない状態の真帆だった。

さっき、ホテルの窓越しに見えた水色のワンピースを着ていた。

「ケンちゃ〜ん、お待たせ」(普段、ケンちゃんとは絶対に呼ばない)

「何しに来たんだよ、こんな夜中に」

「何しに来たとは何よ。ひどいなぁ。ケンちゃんの大好きなまほちゃんが会いに来たんだよ♪。ケンちゃん、電話した??、かけ直そうとしたけど、出なかったから様子見に来たのよ」

「同窓会は楽しかったか??、遅かったね」

 

「飲み過ぎて、ホテルの休憩室で休んで、女友達に送ってもらったの〜っ」

よくもぬけぬけと!!

 

【真帆、白状する】

「ウソつくな、真帆!!、ふざけるのもいい加減にしろ」俺は声を荒げた。

「ケンちゃ〜ん、怒っちゃだめよ。待ってたでしょ。今からハメさせてあ・げ・る」

真帆のテンションは最高だった。相当酔っているに違いない。

 

俺は真帆を殴りたくなったのをこらえ、震えながら言った。

 

「真帆、見ていたんだ。お前、スカイタワーホテルの3階客室で何していたんだ。」

「何のこと?」

「お前の匂い嗅いでいいか??、男の匂いか石けんの匂いがしたら只じゃ済まないから。渡会と何をしていたんだ???、顔に白いものが付いているぞ(これはウソ)」

 

真帆は、少しはっとしたが、

「ごめんなさーい」とおどけたように謝った。

「しちゃったの〜っ」

「…………」俺は唖然とした。

「渡会君に声かけられて、いっぱい呑まされて、同窓会が終わった後『休憩しながら、二人で同窓会の続きしよう』って誘われたの」

唖然としたまま何も言い返せない。

「部屋に入って、『真帆の太もも見せて。昔プールで見せてくれたよね』と言われて、懐かしくなっちゃって太もも見せたら、アソコをさっと撫でられちゃった。酔っていたから気持ちよくって。ぞくぞくしちゃった」

「…………」

「『だめよ、私、結婚するのよ』と言ったら『結婚前の記念にボクとの思い出を作ろうよ』って誘われて、おっぱい触られて、気持ちよくなって……。酔っていたんだもん」

「それで、したのか。バックから」

「うん、ごめんなさい。でも、気持ちよかったよ。あなた以外のおち○ぽ、初めてだったから」呂律が回らない口調で答える。

「危険日に生で??」

「うん、でも、『中で出したい』というのは断って、外に出してもらったよ」

「それでもひどくないか??」

「大丈夫よ、シャワーでよく洗ったから。洗いっこしてたら、渡会君、また立ってきたから手で抜いてあげたんだよ。私、ケンのおかげで手コキは上手いんだから。ねえ、シャワー浴びてきれいにしてきたから、今からHしようよ。やっぱりケンのおち◎ぽの方がずっといいわ。欲しいよぉ〜」真帆はベッドに腰掛けたまま喋っている。今にもワンピースを脱ぎ出しそうな感じ。

 

レイプや無理矢理ではなかったようだ。が、俺の体の中で何かが弾けた。

 

【ケンの怒り】



「この大馬鹿女!!」



そう言うと、平手で3発、握り拳で1発、真帆を殴った。倒れたところを腹に蹴りを入れた。

口から血が出ている真帆はやっと気がついたみたいで

「ごめんなさい、ごめんなさい、許して」

 

「もういい、帰れ!!今、タクシー呼ぶから」俺は怒鳴った。で、タクシーを呼ぶ。

「お願い、説明させて、謝るから。ほんの遊び心なの」

「うるさい。いいから、靴を履け」

真帆を引きずるようにアパートの階段を下ろし、配車場所のファミレス駐車場へ。

真帆は、しゃがんで泣いていた。通行人がじろじろと見ている。

 

「○○にある農協倉庫の向かいの大きな家までお願いします。回りに他の家はないので、すぐ分かります。すみませんがこの女がなんと言っても絶対に行き先は変更しないでください。行き先??、この女の自宅です。お金は先に渡します。おつりはチップと言うことで」と、真帆をタクシーに押し込んだ後、そんなに遠くない距離ではあるが、運転手に5000円札を渡し、見送った。

 

深夜にもかかわらず、家族連れでにぎわうファミレスを尻目に、俺は思った。

真帆を殴ってしまった。結婚話は破談になり、会社もクビになるだろう。

今度は、どの町で暮らそうか。ポケットの中に手を入れると、理香からもらったメモがあった。

 



【真帆の父親】

自宅に帰って間もなく、真帆の父親、真一郎氏から電話があった。カンカンに怒っている。

「ケン君、真帆が泣きながら帰ってきた。口から血を出していて、君に殴られたと言っている。説明したまえ」

「お義父さん、本当に申し訳ありませんでした。殴った理由は真帆さんから聞いてください。今、私からは言いたくありません。社長さんには長い間大変お世話になりました。ご恩に報いることが出来なくて申し訳ありません。お嬢さんによろしくお伝え下さい」

「ケン!!、どういうことだ!!」電話口で吠えている真一郎氏の話の途中で電話を切った。

 

電話線を引っこ抜き、携帯の電源は切ったままなのを確認し、睡眠導入剤(※)を服用して床につく。

あのフィルム、どうしようか。確か、現像装置を個室で使わせてくれるレンタルラボというのが東京にあるから、ネガをプリントしてきて、それを見せて慰謝料もらおうか。でも、撮影場所を追求されたら困るなぁ………(専門家が調べれば、誰が利用していた部屋から撮影したのかすぐに分かってしまう)

 

撮影場所といえば、再び理香の事を思い出した。

理香は、『愛してくれれば一緒になってもいい』と言ってくれた。理香と一緒に知らない町で暮らそうか………

でも、俺より経験人数多いなんて、ちょっと引くなぁ。ナンパされてついていくような女になってしまったし。でも抱き心地はよかったな。

……理香のちょっと太ってはいるが、むちむちの姿態を思い浮かべ、薬が効いてきた俺は寝入った。

 
【嵐の翌日、会社で】

翌朝、頭が割れるように痛かったが、今日は大切な商談がある。

営業部を出し抜いてのこの商談、まとまれば、怠け癖の多い営業部にカツを入れることができる。

製品部全体が固唾を飲んで見守る商談だった。夜更けまで資料を一緒に作るなど、今まで苦楽を共にしてきた同僚たちのことを思うと、俺が退職届を出すのはこの話がまとまってからか?、クビになってしまえば話は別だが・・・

というわけで、俺は重い足取りで会社に向かった。




商談がなければずる休みできたのに。

会社に着くと、真帆と社長は急用で休んでいるとのこと。特に変な噂も広がっておらず、少しほっとする。



商談相手を待っていると、JRの事故のため、2時間ぐらい遅れると先方から連絡があった。

暇になった俺は、机の整理を始めた。今までの仕事内容は分かりやすくまとめてファイルし直し、机の中もすっきりとまとめた。

「山本係長、いきなり机の中まとめてどうしたのですか?」技術係の後輩が聞いてきた。

「商談が遅く始まるから、暇つぶししているんだ」……辞めることは商談がまとまってから言おうと思う。

「ふーん、手伝いますか??」

「ありがとう。じゃあ、あのファイルもきれいに並べ直そうか」

わいわいと突然始まった大掃除。楽しそうに働く仲間たちを捨てることになるのがいたたまれない。

 

午後の商談は無事にまとまり、機嫌良く応接室を出ると、事務員の女の子が廊下で待ちかまえていて「山本係長、すぐに社長室まで来てもらえますか」

キタ─────────────ッ

「後で行くと言ってよ。今忙しいから」

「すぐ連れてこないと、私が怒られます。お願いします」ぺこりと頭を下げた女の子は俺の手を掴み、自分の脇に挟み込むと、引きずるようにして社長室へ。気が重かった。叫びながら逃げ出したかった。

 

社長室には、社長の弟の勇二郎さんが居た。勇二郎さんは、市内で大工を営む職人で角刈りが似合うガテン系の男である。社長じゃなくてほっとする。

「ケン君、ついてきてくれないか」その手には、デスクから持ち出されたと思われる俺のカバンが握られていた。勇二郎さんは、事務員の女の子に声を掛けると、タイムカード打刻も着替えも済んでいない俺をトラックに乗せた。

 

「ケン君、何があったかは兄貴から全部聞いた。本当に申し訳ない。身内としてお詫びするよ。兄貴も相当参っていて、まあ、話だけは聞いてやってくれないか」と勇二郎さん。

考えてみると、朝から社長や真帆の側から何も接触がない。ちょっと不気味だった。

カバンの中に手を突っ込み、潜ませた退職届と○○○にそっと手を当てる。

 

勇二郎さんのトラックが社長の家に着き、勇二郎さんの奥さんが迎えてくれた

「ケンちゃん、お仕事しているところごめんね」そう言いながら、客間に案内される。

俺は胸が爆発しそうだった。これからどんな展開が………

 

 

勇二郎さんが「おーい、兄貴、お連れしたぞ」と言いながら、襖(ふすま)を開けると

 

3人の男女が、土下座をしていた。

「ケンくん、この度の事は本当に申し訳なかった。真帆のことを許してやってほしい」

「ケンさん、真帆は心から反省しています。今回だけは許してあげてください」

「ケン・・・ごめんなさい、うっ、うっ」



俺は唖然として3人を見下ろしたまま「何ですか、これは??」

勇二郎さんは「ケン君、座ってくれないか」とふかふかの座布団をあてがう。真帆たち親子は座布団を当てていないのに。

俺と勇二郎さんが座り、しばらくして、3人は顔を上げた。まず驚いたのが、真帆の父・真一郎氏の頭。丸坊主だった。

青ざめた顔をした真帆はロングからセミロングに。結婚式では、ヘアアレンジをするのを楽しみにしていたのに。

 

「こんなふしだらな娘の所に(婿に)来てくれ、とはおこがましいが、ケン君、真帆を許してやってくれ。この通りだ」

「本来なら真帆が丸坊主になるところですが、ケンさんとの結婚式を控えているので、主人が代わりに髪を切りました。親としてだらしない娘が本当に恥ずかしい。」ひっく。真帆ママは泣き出してしまった。

 

勇二郎さんも「真帆さんもお父さんも、そこまでしてケン君にお詫びをしている。ケン君の要望や条件があったら何でも聞こう。だから、会社を辞めたりここを出ていくことは思いとどまってくれないか。そもそも結婚というのは家と家との結びつきでもあり、君のご両親とも挨拶も済んでいるし………(延々と説得された)………」

会社で俺がオフィスの大掃除をしたことも伝わっていて、俺に退職の考えがあることがわかっていたのだ。

 

「いきなりそんなこと言われても、結婚前の大切な時期にああいうことされたら、普通は破談ですよ。」

(自分のこと棚に上げてよく言うよ。それを見た後の事がバレたら、それこそ婚約解消だ・・・自分で苦笑するが、そんな様子はおくびにも出さない)

「真帆への愛情が冷めたのか。中部の姓が嫌なのか??。真帆を嫁にやる形でもいい」「そうではありません、自分は、嫁とか婿とかいう結婚の形や今の姓にこだわっているわけでもないし、エンジニアとして生きていけるのなら、将来の社長なんてどうでもいいんです。ただ、愛のある結婚生活がしたかっただけなんです。昨日のことで、真帆さんが自分のこと、好いてくれているかどうか。信じられなくなったんです。地位と家柄だけの上っ面の結婚生活なんてしたくありません。」

「ううっ」3人はうなだれて黙ってしまった。真帆はすすり上げている。

 

「ケンちゃん、ちょっと来てくれる??」勇二郎さんの奥さんが俺を台所へ連れだし、ダイニングテーブルに向かい合って座った。

「私、真帆ちゃんに頼まれて……」午前中、一緒に産婦人科に行ったという。そこで女医先生に事情を話し、局部の洗浄と緊急避妊薬の投薬をしてもらった。

局部洗浄の間、「ケンさん、ごめんなさい」と診察室の外まで聞こえるような大声でわんわん泣いて、「先生、もっときれいに洗ってください」と叫んでいたという。さらに、緊急避妊薬はホルモンに作用するため、吐き気などの激しい副作用を伴うことがある。(他には頭痛、胸の痛み、だるさ、下腹部の痛み、めまい) それらが真帆にも出てしまったが、耐えているという。

 

真帆が自宅に帰ると、丸坊主の父の姿を見て、再び号泣。美容院に走っていって、薬の副作用である吐き気に耐え、わんわん泣きながら、自分もカットしてもらったという。(さすがに、美容師が機転を利かせて、結婚式に支障のない長さで止めたらしいが)

 

勇二郎さんが台所に入ってきた。

「ケン、君の思っていること、何でも言って欲しい。ただ……」

「???」

「あのプライドの高い兄貴が丸坊主になり、家族の前で土下座したんだ。従業員200人の会社を一代で築き上げた男が、一人娘を嫁にやってもいいとも言った。相当な覚悟があると思ってくれ」

(それって脅迫???)

 

「真帆ちゃんは、昔から人が良すぎる子だった。まっすぐに育ちすぎたのよ。本当に何も知らないウブな子だから、だまされちゃったけど、でも、懲りたはずよ。あれだけ苦しい思いしながらケンちゃんのこと好きって言っているの。いい奥さんになるわよ」と奥さん。

「兄貴も真帆ちゃんも一途だからなぁ……」勇二郎さんはため息をついた。

 



【俺は負け犬??】

30分ぐらい沈黙の時間が流れる。勇二郎さんの奥さんは台所と客間を行ったり来たりして落ち着かない。

俺は色々なことを考えていた。真帆が渡会に貫かれている姿や、一緒に旅行に行ったことなど。

 

結局、気がついた。勇二郎さんの車に乗り込んだこと、いや、会社に出社した時点で俺の負けだったのだ。

会社など行かず、商談をすっぽかして、ひっそりとこの町を出るべきだったのだ。

俺は負け犬なのだ・・・それしか選択肢はなかった。

「わかりました。勇二郎さん。真帆のことは今回は許します」

 

「ありがとう、ケン君、今なら君の望むことが何でもかなうぞ。重役の座でも高級車でも豪邸でも。そうそう、前に俺と飲んだときツーリングに行くときに使えるようなベンツのミニバン欲しいって言ってたな。兄貴に言って用意させようか??」

「そんなもの要りません。」

「???」

「幸せな私たちのことをぶちこわした奴が許せない。真帆が二度とこのような気を起こさぬよう、それ相応の後始末をしたいのです。」負け犬の遠吠えだった。

「後始末??」

「自分は家庭持ちのくせに、婚約していることを知っていて真帆を誘った奴にきっちりと落とし前を付けたいのです。軽はずみに男の誘いに乗ると、相手がこうなるということを真帆に知らしめてやりたい。あなた方の対応が手ぬるければ、寝取られた男として私が刺しに行きます」と、カバンから軍隊用のナイフを取り出して見せた。もともとは、話の進み具合で、真帆の目の前で振り回す覚悟で朝、衝動的にカバンに入れたものだ。

「ケン君、君がそんなことをしてはいけない。それ仕舞って。俺たちが何とかするから」

 

勇二郎さん夫妻は、真帆親子の待つ客間へ行き、俺はリビングで待たされた。

真帆と、真帆の母が号泣する声が聞こえる。

 

真一郎氏がリビングに入ってきた。

「ケン、ありがとう。ふしだらな娘だが、君への思いは一途だ。よろしく頼む」

「はい、社長」

「お義父さんと呼んでくれ」

「それは、式が終わるまでお預けですよ」

「わはははははは」



と、真帆が入ってきた。フローリングの上でまた土下座する。

「本当にごめんなさい、、ううっ」

「真帆??」

「こめんなさい、気持ち悪い。苦しい。助けて……ケン」

「ケンちゃん、行ってあげて。」何で俺なんだ??。ふうっ。

俺は真帆を抱えるとトイレへ。真帆は便器を抱え込み、もはや胃液と呼べるような水のような内容物を吐いている。

真帆の母が用意してくれた濡れタオルで真帆の口を拭くと、そのまま真帆の部屋へ連れて行く。ベッドに寝かせ、部屋を去ろうとすると

「ケン………本当にごめんなさい」

「真帆、もう休みなよ。俺、帰るから。今度ゆっくり話そうよ」

「ケン待って、帰らないで!!そばにいて!!……お詫びに、私、一つ約束する」

「ん??」

「あなたが浮気しても、私、怒らないから(※)」

「真帆!!!」

「私のこと、許してくれる??」

「ああ、もういいよ。真帆の気持ちはよく分かった。でも、奴は絶対に許さない」

「渡会・・・くんのこと??」

「『くん』なんて付けるな!!。そうだ。奴がどんな目に遭うかをお前の目で見届けること。それが君へのペナルティだ」

「はい」



(※)後日、素面の時に再び同じ事は言われたが、「家庭や会社を壊さない、相手の嫌がることは絶対にしない」という条件がついていた。



しばらくすると、真帆は安心したように寝入ってしまった。

部屋を出ると、真一郎さんと勇二郎さんは客間で酒盛りを始めていたが、それに加わる気にはならず、勇二郎さんの奥さんに会社の駐車場まで送っていってもらう。

「あんた、えらいわ」車中で言われた。

「何がですか??」

「あれだけひどい目に遭っているのに、真帆ちゃんのこと気遣ってタクシーで送り届けたり、部下のこと気遣って会社に出ていくんだもの。娘が悪い事した、と裸足のまま床屋に飛んでいった義兄さんとは大違いね」

………「違う、俺はヘタレの負け犬なんだ。」 そうつぶやいたが、機嫌良く喋っている奥さんの耳には入らなかったようだ。

 





【課長昇格】

翌日、社長室に呼ばれた俺は、課長昇格を告げられた。

もう逃げられないこと改めて思い知らされた。

 

今までの製品部製造課を、製造課と技術課に分割し、初代の技術課長になるという寝耳に水の話。

入社以来指導を賜り、お世話になった製造課長に報告に行くと、わがことのように喜んでくれた。(製造課長は課の分割話は知っていたらしい。新課長の名前までは分からなかったそうだが)

醒めた俺とは違い、部下たちは大騒ぎしていた。殊に技術係の部下たちは、独立した課になると言うので大喜び。それを見てちょっとだけ和む。

女子社員たちの見る目も変わった。もともと、福利厚生がしっかりしている我が社。シングルマザーやバツイチの女性スタッフも多いのだが、中には明らかに誘惑してくる者も出てきた。

あるシングルマザーと資料室で一緒になったとき、「私のおっぱい、形が変じゃないですか」と制服をまくられて胸を見せられたときは仰天した。

でも、結婚式までは身を慎まないと・・・

 

(ちなみに、真帆は1週間欠勤するそうだ。吐き気が続いていることもあるが、自宅謹慎の意味もあるらしく、外出禁止にしたとのこと。まあ、俺もそんなに真帆とベタベタする気にはならないから丁度良かった)

  

【奴への制裁】

一方、渡会の勤務先A社は、我が社の取引先で、A社社長は社長の後輩。

事情を話すと、腰をぬかさんばかりに驚いたという。

 

仕事はそこそこ出来るが、女癖が悪いと評判の渡会は東京支社に転勤となった。

さらに、静岡支社を立ち上げ、軌道に乗せるまでは10年近く帰って来られないという内容。

一見すると栄転だが、奴の所は赤ちゃんが生まれ、マイホームも建てたばかり。そこにポイントを合わせた制裁であった。

 

さらに、真帆は(真一郎氏の命令で)渡会を強姦と強制猥褻で告訴した。

社長と同級生である刑事の差し金で、警察官の制服を着た刑事が乗ったパトカーが白昼の住宅街、渡会の自宅に横付けされた。奴は重要参考人として連行、取り調べを受けたのだ。

「同意だ」という渡会に対し、真帆が事件の翌日に産婦人科で局部洗浄等をした領収書と明細書を提出して黙らせる。(和姦なら産婦人科で局部洗浄するはずがない)

証拠不十分で起訴されることはなかったが、奴が警察に連行されたという事実だけで充分。

A社を辞めて地元企業に転職しようしても、まともな所はどこも採用してくれないだろう。

 

結局、渡会は東京に行くハメになった。しばらくは単身赴任という形を取ったが、生まれたばかりの乳飲み子を抱えた奥さん、近所の冷たい視線に晒されての母子生活なんて続くはずはない。

家を売って慣れない東京の狭い賃貸住宅で暮らすか、離婚するか、いずれは決断することは間違いない。

慰謝料だが、弁護士立ち会いの元、念書を書かせた上で、俺から申し出てかなり減額した。奴のためではない。奥さんと乳飲み子のためだ。

 





【真帆の決意】

真帆は家でぐったりしていた。薬の副作用は収まっているはずだが、精神的なショックで吐き気が続いているとか。

見舞いには行ったが、俺もショックから立ち直れておらず、リビングで軽く話す程度で辞去する。

 

1週間後、少し青ざめた顔の真帆が出社していた。廊下で声を掛ける。回りに人影はない。

「ケンさん、本当にごめんなさい」

「まあ、仕事が出来るまでに回復して良かったよ。今度ゆっくり話そうか」

「早速、お願いなんですけど、………今夜、泊まりに行っていい??。ママにも言ってあるし、着替え持ってきたから」

「突然、どうしたの??」

「淋しかった」

そういうと、会社であるのにもかかわらず、俺にしがみついた。

「真帆、ここは会社だよ」

「………………」真帆が泣きそうになっている。

「分かったよ、泊まりにおいでよ。片づいていないけど」

 

真帆と一体どんなことを話せばいいのか、気にしながら仕事を片づけて夕方。

真帆の車は会社に置きっぱなしにして、俺の車で会社を出る。

自宅謹慎中の話を聞きながら(母親が図書館で借りてきた家族に関する本を何冊か読み、感想を書かされたそうだ)ファミレスで軽く食べ、コンビニで買い物した後、散らかり放題のアパートへ。



 

酒とつまみを出し、ベッドに並んで腰掛ける。

真帆は、白いTシャツとジーンズという格好。白いTシャツは、体に貼り付き、腰のくびれやバストラインが見えるが、今までのように胸を揉んだりする気にはならない。

 

酒に手も付けず、ぼんやりと二人並んでテレビをみていたが、真帆から抱きついてきて、まずはキス。まだ舌は入れない。

と、真帆がズボンの上から俺の逸物を触りだした。

「ねえ、脱いで」腰を浮かせると、ズボンとパンツを下ろされる。

 

で、俺の前にしゃがみ込むと、小さいままの俺の逸物をぱくりとくわえた。

 

「真帆、汚いよ。シャワー浴びるよ」

真帆は逸物を口から出すと

「いいの、お願い、しゃぶらせて」

そう言うと、顔をしかめながら逸物をしゃぶる。少し気持ちよくなり、段々大きくなってきた。

と、真帆の歯の感触が気になるし、「うっ、うっ」と真帆がえづくのも気になる。

「真帆、無理しなくていいよ」

「あなたの精液飲みます。飲ませてください」

AV女優などと異なり真帆はおしゃぶりが大の苦手。口で逝かせてもらったことはない。

先日の奴との浮気でも、おしゃぶりだけは拒絶していた。だから、真帆にとって辛いことは分かっている。

 

「んぷっ、んぷっ」汗などで臭い逸物を真帆は吸い立てている。

「お願い、私の中で出して、私のお腹の中にあなたの精子を注ぎ込んで!!」

そう言われても、歯は当たるし、はっきり言って下手だ……

 

でも、ふと思った。この女は俺の見ている前で他の男の肉棒に貫かれ、喘いでいた。

長い髪を振り乱し、気持ちよさそうな顔を披露していた。

おっぱいを揉まれて悶えていた。

俺は、怒りのあまり、逸物に血がたぎるのを意識した。

真帆の顔を両手で掴むと、顔を前後にピストンした。

俺が急に乱暴になったので、「んんーっ、んんーっ」と真帆の悲鳴が。

「真帆、止めるか??、今日は帰るか??」と責めると、

「いやーっ、出して、止めないで、泊めて〜っ」と返事。

真帆は髪を振り乱し、逸物をしゃぶり立て、ついに逝きそうになった。

「真帆、逝くぞ。飲めよ〜」ううっ、どくっ、どくっ、

真帆の口の中に大量に放出した。



「んーっ」真帆は必死で飲み下そうとしている。

「真帆、吐くか??。吐いたら帰ってもらおうかな」

顔をしかめて首を横に振り、飲み下した。



「飲んじゃったよ。苦かった」真帆は口の端から白濁液を垂らしながら、俺に微笑んだ。

「真帆、ありがと」俺は真帆を抱きしめた。



「お風呂入るね」

「その前に服を脱いで」

さっきのイマラチオで興奮した俺は、残酷な気持ちになっていた。今日は徹底的に…

「は、はい」

真帆は、Tシャツとジーンズを脱ぎ、真っ白なブラとショーツ姿になった。

「全部脱げよ」

一瞬ためらった後、ホックを外し、ショーツを下ろす。先日、隣のホテルから見た姿態がそこにあった。

「ケンさん……脱ぎました」

「じゃあ、オナって」

「えっ」

「奴の前では自分からスカート捲って触らせたんだから、それ以上のことやってもらわないと。とてもエッチする気にはなれないね。前にオナったことはあるって言っていたよね」

「ええ、でも、人前では……まだ………でも……はい、………オナります。お願い、明かりを……」

俺は苦笑すると、枕元の明かりとスケベ電球だけにした。

真帆はベッドに横たわると、足をM字形に開いた。足元から覗き込むのはかわいそうなので、顔を覗き込んだ。

「ケン、恥ずかしいよう、本当にオナるの??」そう言いながらも息が荒くなっている。

最初はぎこちなかく股間をいじっていた手も、段々動きが早くなり、胸を揉みながらクリをこすり立てて始めた。俺は股間に移動し、覗き込んだ。

「あんっ、あんっ、ケン、恥ずかしいっ、いやっ、いいっ」

………………………

「ケン、ああっ、ケンのおち◎ちんほしいよ、だめ??」

「だめ」

………………………

「あああああああああああっ」

真帆は腰を振り立てながら逝ってしまった。

俺は真帆にキスをして抱きしめた。



「ケン、恥ずかしかったよ。ねえ、これでエッチしてもらえるの??」

「ああ、真帆の姿を見て興奮してきたよ。シャワー浴びるか」

 

風呂場が狭いので、交代でシャワーを浴び、真帆は持参のパジャマを着て、ベッドに潜り込んだ。シングルサイズのベッドなので、体は自然と密着する。

乳首をまさぐり、Aカップの胸を揉むとあっという間に真帆は濡れた。

俺の方も臨戦態勢。尻を突き出させて挿入すると

「ああっ、やっぱりケンのがいい。太いわ、奥まで当たる〜っ」

 

「ああーっ、恥ずかしい、いやー、逝くーっ、ちょっとまって」

「???」

「ケンの顔見ながらしたいよ〜っ」

体位を変えて正常位。

「あんっ、あんっ、あんっ。気持ちいいわ」

真帆の喘ぎ顔を見ながら、腹に出した。

「ケン、やっぱりあなたがいい」

「?????」

「この間、本当は怖かったの。抱きしめて」……本当かよ。まあ、信じよう。

服を整え、明かりを消し、抱き合ったままベッドへ。

胸元ですすり泣きが聞こえたかと思うと、寝息に変わった。

 



後日、理香の所にお礼と報告を兼ねた電話をかけた。

「……そう、ちょっと期待していたのに。でも、あれはあれで気持ちよかったわ。ありがと。真帆さんのしているところ覗き見していたのって、二人だけの永遠の秘密ね♪。幸せになってね」と言ってくれた。





 

【結婚式】

10月。結婚式は、駅前にある「ダイアモンドホテル」で行った。

先着した真帆と義母を追うように、俺と義父・真一郎と勇二郎叔父さんは会場に到着した。義父の髪は何とか見られる位には伸びていた。

と、他の披露宴会場から、真っ赤な顔をした渡会が出てきてトイレに向かった。ダークスーツに派手なネクタイ。その会場の披露宴に友人として出ているのだろう。

(A社社長は「この土地に来るな」と言ったらしいが、さすがに友人の結婚式となると認めざるを得なかったのか・・・)

義父は俺と勇二郎さんに目配せした。俺に異存はない。

 

奴がトイレに入った瞬間、「おい」と声を掛ける。振り返った瞬間、顔面に拳骨を食らわせた。

「いてーな、この野郎・・・あっ、あんたは」渡会が俺たちを見て驚愕の表情を見せた。

「お前、自分のしたこと分かっているのか」

「あれは、真帆さんの方から誘われて仕方なく・・・1回だけの遊びだから・・・ごめんな。慰謝料受け取ったろ?。俺だってカミさんや弁護士からグダグダ言われて大変なんだよ。何も殴ることないだろ」

「カネやごめんで済むか」と俺は胸ぐらを掴んだ。(何が『真帆から誘われた』だ、奥さんが『グダグダ言う』だ)

 

「ちょっと、待ちなさい」

「叔父さん・・・」

「やめとけ、顔を殴ったら後が大変だぞ。おい兄貴、やるか」

「ああ、勇ちゃん」

義父は奴を後ろから羽交い締めにして、勇二郎さんは強烈なパンチを腹部に何発も見舞った。

このふたり、こういう事は慣れているらしい。殴っている勇二郎さんは顔色一つ変えないのに、渡会の顔は苦痛に歪み、青ざめていった。

義父が手を離すと、奴は床に倒れ込んだ。

 

「おい、行くぞ」勇二郎さんが俺を促した。

「待ってください」

俺は、倒れたままの奴の股間に何回か蹴りを入れた。

こいつの腐れち○ぽが・・・・

「おい、ケン、止めよう。そろそろ人が来るぞ」

俺は、奴の腹に体重をかけて思い切り踏みつけてやった。

  

と・・・・・

奴が「ううっ」とうめくとズボンの股間周辺の色が変わり、辺りに液体が染み出て、臭くなった。

小便と下痢うんこもらしやがった

 

 

義父たちと別れ、新郎新婦控室に入る。衝立の向こうでは衣擦れがしている。真帆がウェディングドレスを着ているのだろう

「ケン、遅かったね。どこに行っていたの??」と、衝立越しに真帆。

「昔の知り合いに会ったから、お義父さんと一緒に喋っていたんだ」

「ふーん」

 

俺は、髭を剃り、美容師に頭を整えてもらい、タキシードを着る。

真帆のドレス姿もできあがった。小柄な真帆、スタイルを生かしたマーメイドラインのドレスがよく似合う。髪は当初予定していたストレートのロングヘアから、編み込みに変更されたが、よく似合っている。

浮気相手にはぎりぎりのタイミングで制裁を加えた直後でもあり、「きれいだ」と素直に言えた。

真帆は顔を赤らめる。

 

写真室へ移動する途中、ホテルの制服である水色のスーツを来た男二人とすれ違う。

一人が辛そうにしているもう一人に肩を貸しながら歩いている。抱えられている男はもちろん渡会だった。奴のスーツは糞尿まみれになったので、ホテルの制服を借りたのだろう。

ホテルのスタッフが渡会にささやいたようだ「新郎新婦様のお通りですので、道をお開け下さい」と。

渡会は俺と真帆に気が付くと、バッタの如くのけぞって左側の壁(真帆の側)に貼り付いた。

俺が睨み付けると、奴はこそこそと視線をそらす。

すれ違う瞬間、真帆は奴に冷たい視線を送り、奴と俺だけが聞こえるような小声で「ばーか」と吐き捨てた。少しして、後ろで人が倒れる音がしたが、関係のないことだ。

 



【披露宴開式】

チャペル挙式の後、披露宴に移る。学生時代、バイト先の結婚式場で数多くのカップルを見てきたが、自分がこの立場になるのは照れくさい。

列席者の4分の3は新婦側関係者。

新郎側の席で小さくなっている両親を見ると、ちょっと胸が痛む。小さくなっている両親の隣で気丈に振る舞ってるのは俺の弟。兄が婿に行くので、跡取りとしての自覚に満ちている姿が凛々しく見える。

 

お色直し、余興と進み、花束贈呈と挨拶に入る。

婿養子なので、俺が両親への感謝の気持ちなどの挨拶をする。大学まで通わせてもらって、(長男が)婿に取られたのは気の毒だが、弟を通じて親孝行することを誓う。

俺の両親は「よろしくお願いします」と簡単に済ませる。

次いで、真帆の父の挨拶

「このような、至らぬ娘の所に来ていただいて……」というところで、男泣きしてしまった。よく見ると、真帆の母と真帆も泣き崩れているので、列席者は怪訝そうな目で見ている。嫁にやるのならともかく、婿をもらう方が・・・・・

親戚の席を見ると、(事情を知っている)勇二郎さんの奥さんもハンカチで目を覆っていた。

 

 

【終章】

こうして、婿養子となった俺は、新しい人生のスタートを切った。

新居は、とりあえず2DKの賃貸マンションを借りた。俺が1ヶ月前に引っ越しを済ませていて、真帆は最低限の生活用品を持ち込むだけにする。

義父の家の隣にマイホームを建てている所だからだ。(名義の関係で、結婚してから建築の契約をするようにしたため)

ハネムーンから帰ると、夫婦で働く日々。

製造課と技術課が分かれたことで業績が向上して業務量も増え、事務員が足りないと言うので、真帆は事務員の手伝いのような仕事をしていた。いずれは誰か入れないと・・・・